チュー・ライの小説を原作とし、脚本を手がけた本作は、1972年のクアンチ古城防衛のための81日間の戦いから着想を得たものです。
物語は、かつて南北分断の象徴でもあったクアンチ省において、ベトナム人民軍の解放部隊が古城を奪還した歴史的局面を背景に展開されます。その後、和平交渉への影響を狙い、アメリカの支援を受けたベトナム共和国軍が、この古城の再奪取を目指して反攻作戦を仕掛ける様子が描かれています。
本作は、ベトナム共和国軍の兵士たちを、帰りを待つ家族を持つ一人の人間として描くなど、人間主義的な視点も示されています。
『赤い雨』は、ベトナム映画史上最高の興行収入を記録し、7,000億ドン(約2,650万ドル)を突破しました。
また、本作は2026年の第98回アカデミー賞国際長編映画賞部門のベトナム代表作品として選出されています。
閉会式であいさつした在フランス・ベトナム大使館のファム・ティ・キム・イエン公使参事官は、今回の映画週間は単なる上映イベントではなく、映画製作者の視点を通じてベトナムの風景、人々、夢、そして直面する課題を再発見する旅であったと強調しました。一本一本の作品やディスカッション、そして映画関係者との交流が、ベトナムの創造性、たくましさ、精神を称える機会になったと述べました。
製作チームを代表してダン・タイ・フエン監督は、「クアンチ古城での81日間の戦いを描いた本作は、戦争の過酷な現実のほんの一部に過ぎない」と語りました。
そのうえで、「『赤い雨』を制作し、長い道のりを経て海外の観客に届けることができたことを誇りに思う。拍手や涙、共感、そして励ましを寄せてくださったすべての観客の皆さまに、心から感謝する」と語りました。
「光の旅」をテーマに開催されたベトナム映画週間には、フランスをはじめ約20か国から6,000人以上が来場し、ベトナム映画の名作から現代作品、商業映画からアート系・ドキュメンタリーまで、国際映画祭で受賞歴のある作品を含む17本が上映されました。また、フランスとベトナムから100人を超える著名な俳優や監督も参加しました。