星型ランタン、太鼓、お面、獅子頭、回転ランタン、魚やウサギを模した吊り下げランタンなどの伝統的な玩具が現在、市場の70~80%を占めています。買い物客の間では、ハンドメイドの玩具への支持傾向が見られます。
ハノイ旧市街周辺の通り、特にハンマー通りやハンルオック通りは、例年以上に華やかで、ランタンや獅子頭、星型ランタンの赤い光で彩られています。店舗では多彩なデザインの商品が並んで価格も安定しており、1点あたり2万~10万ドン(約1米ドル弱から3米ドル強)となっています。
小型の星型ランタンは1個2万~3万ドン、大型のものは5万~7万ドン、紙製のお面は2万~5万ドン、太鼓は4万~10万ドンで販売されています。
今年の市場では、より創造的で革新的な商品が登場し、丈夫で軽量、再利用可能な素材が使われています。色鮮やかで細部までこだわった大型の鯉型ランタンは、伝統と現代的な美意識を融合させています。新商品が登場しているものの、ベストセラーは依然として伝統的な星型ランタンとなっています。
 店主らによりますと、消費者のニーズは環境に優しく安全で、地元で生産された玩具へとシフトしているということです。
「子どもたちの親の嗜好に合わせ、輸入品を減らして手作りのベトナム製品を増やしています」と、ハンルオック通りの玩具店主グエン・ハンさんは語ります。
多くの家庭にとって、中秋節の玩具は子どもへの贈り物であるだけでなく、愛や団らんの象徴でもあります。親は子どもを連れてハンマー通りを訪れ、祭りの雰囲気を楽しみながら、「トー・ヘー」(伝統的な米粉細工)、お面、星型ランタンなどの伝統玩具を購入し、文化的な伝統を体験しています。
ヒーローやLED付きの人形、鯉型ランタンなどの現代的な玩具も一部で販売されていますが、市場で大きなシェアを持つことはなくなりました。消費者の間では、新しさや低価格よりも、安全性や産地、教育的価値を重視する傾向が強まっています。
バクマイ区在住の買い物客、チャン・トゥ・ハーさんは「今年の伝統玩具は安全で環境にも優しいと感じました」と話します。
近年、中国からの輸入玩具は品質や安全性への懸念から人気が低迷し、伝統的なベトナム製品への回帰が進んでいます。
中秋節の市場は、「ベトナム人はベトナム製品を優先する」という意識の高まりを反映しており、伝統玩具が着実にその地位を取り戻しつつあることを示しています。