大阪・関西万博のベトナム館では10月5日、「団らんの中秋節」プログラムと、文化交流イベント「ベトナム語を共に学び、愛する」が開催されました。この催しには、ベトナム語学校「カイチェー(竹)」の生徒35人と教師、専門家のほか、ゲストが参加しました。
イベントは活気あふれる獅子舞で幕を開け、多くの来場者を引きつけました。リズミカルな太鼓の音と陽気なパフォーマンスが、ベトナムの伝統文化を彷彿とさせる華やかな雰囲気を作り出しました。
ベトナム館のドー・ラン・フォン館長は、「このイベントは中秋節を祝うだけでなく、ベトナム語とベトナム文化を守り、国際社会に広める機会でもあります」と語りました。
大阪大学の清水政明教授は、「海外でベトナム語を学ぶことは、若者たちが自らのルーツに誇りを持ち、ベトナム文化の国際的な存在感を強めることにつながります」と述べました。
同じく10月5日、沖縄のベトナム人協会(AVO)は、毎年恒例の中秋節イベントを開催し、ベトナム人の子どもたちとその家族、あわせて数百人が参加しました。ベトナムから遠く離れて暮らしていても、ベトナム人コミュニティは伝統的な玩具を手作りし、ステージパフォーマンスの練習に励むなど、熱意をもって準備を進めました。
AVOのグエン・ティ・フオン会長は、「中秋節は、海外に住むベトナム人の子どもたちがベトナムの伝統をより深く理解し、祖国への愛情を高める機会となります」と語りました。
福岡のベトナム総領事ヴー・チー・マイ氏は、現地で出席できなかったものの、祝辞を送り、この意義深い取り組みを称賛するとともに、沖縄のコミュニティが今後も団結を深め、ベトナムと日本の友好の架け橋となることへの期待を表明しました。
一方、オーストリアのリンツでは、フオン・ベト協会の主催で、ベトナム人コミュニティが色鮮やかな中秋節イベントを開催しました。会場には提灯や獅子舞が準備されたほか、子どもや家族による歌が披露され、温かく楽しい雰囲気に包まれました。
伝統的な月餅やベトナム料理が団らんの夜を彩り、若い世代が自らのルーツの味を体験し、大切にする機会となりました。
このイベントに出席したヴー・レ・タイ・ホアン大使は、海外ベトナム人コミュニティにおける伝統文化の価値を育む重要性を強調しました。
「これらの価値を守ることは、ベトナム人の精神とアイデンティティを守ることでもあります」と述べ、大使館として今後もコミュニティ活動を支援していくことを約束しました。
また、大使夫妻は子どもたちに中秋節の贈り物を手渡し、子どもたちが海外コミュニティの未来を担う存在であることを強調しました。