トー・ラム書記長は演説の中で、今回の選挙が第14回全国党大会直後に実施される重要な政治イベントであることを強調しました。第16期国会選挙は、ベトナム初の総選挙から80周年を迎える節目と重なり、国の民主的伝統を継承し、新時代における全民族の強固な団結力を改めて示すものになると述べました。
書記長は、選挙の成功が新任期に向けた国家機構の強化に重要な基盤を築き、第14回党大会決議の実施に向けて強固な政治的・社会的安定を確保することにつながると指摘しました。また、行政単位の大規模な再編や二層制地方行政モデルへの移行を終えたばかりの中で、党の指導力、国家の統治能力、政治システムの運営効果を示す機会にもなると述べました。
また、2026年における選挙を中心的な政治任務と位置付け、早期から包括的に法令を遵守して準備を進め、民主的で安全、かつ経済的な形で選挙を実施し、真の「国民の祭典」となるよう求めました。
さらに、国家選挙評議会が積極的に準備を進め、詳細な指導文書を発出したことを歓迎し、これらが各級当局にとって重要な手引きとなると評価しました。
人事作業― 成否を分ける決定的要素
書記長は、選挙の成功に不可欠な5つの中核的任務を挙げ、その中心に人事作業を据えました。
候補者の推薦は公開かつ透明性を持って行い、基層レベルで幅広い協議を実施する必要があると強調しました。候補者選定は人事計画、各級党大会の成果、二層制地方行政機関モデル下での政治体制の合理化の取り組みと密接に連携させるべきだと述べました。選挙で選出される議会の構成は、各分野、社会階層、性別、年齢、地域のバランスに考慮し、専任議員、女性、若者、少数民族、知識人、労働者、農民、企業家、芸術家、宗教指導者などの代表性も確保する必要があります。
書記長は、必要な定数や構成を確保するための取り組みを続ける一方で、質を最優先すべきだと強調しました。国会議員や人民評議会議員は、国民を代表する模範的な存在でなければならず、能力と徳を備え、政治に確固とした信念を持ち、国家への忠誠心を持ち、法的・専門的基準を十分に備えていることが求められます。あわせて、その任務を果たすために必要な健康状態、時間、献身性も必要だと述べました。
そして、2026～2031年期が国家の二つの百年目標実現にとって極めて重要であることから、革新的な思考を持ち、考え、発言し、行動し、責任を負うことをいとわない、国家発展のための政策立案に貢献できる見識と能力を持つ候補者を優先すべきだと呼びかけました。
また、政治的機会主義、権力志向、保守主義、派閥主義、地方主義の兆候が見られる人物を厳格に排除するため、厳格な審査を行うよう求めました。現職議員による法令違反事例を教訓とし、次期任期で同様の欠陥を防ぎ、清廉で規律ある模範的な議会を確保する必要があると述べました。
書記長は、各級協議会に対し、候補者名簿の作成が民主的かつ客観的、法にのっとって行われるよう厳格な指導を求めました。また、ベトナム祖国戦線およびその構成団体が協議、候補者推薦、選挙監督において果たす重要な役割を強調しました。
書記長は、健全でないロビー活動や票集め、特定グループの利害追求などは徹底して排除すべきだとの考えを示し、すべての市民が投票権と立候補の権利を完全に保障され、いかなる不法な妨害も一切容認しないと述べました。
広報面については、世論の合意と関心を高め、選挙の意義に対する国民の理解を深め、投票率の向上につなげるため、幅広い広報活動を展開するよう求めました。各地方や各組織は、有権者集会や法教育イベントなどの運動・参加型活動を実施し、活気ある政治的雰囲気をつくり出す必要があると述べました。
書記長は、治安と秩序の厳格な維持も不可欠だとの考えを示しました。関係機関は、発生しうる問題を主体的に察知し対応するとともに、自然災害や異常気象、疫病、さらには遠隔地・国境地帯・島嶼部での複雑な事案に備えた対策を講じる必要があると述べました。また、選挙に関する不服や異議申立ては、速やかに、かつ法令に基づいて処理しなければならないと強調しました。さらに、選挙を歪曲・妨害しようとする敵対勢力への断固たる対策も求めました。
選挙業務の管理については、投票者名簿の更新から結果報告に至るまで、情報技術の活用を一層推進するとともに、サイバーセキュリティとデータ保護を徹底するよう要請しました。各省庁、機関、地方行政機関は緊密に連携し、責任の重複を避け、全国一体となった行動を確保すべきだと述べました。
残された時間が限られている中、各級当局に対し、迅速に行動し、責任分担を明確にし、進捗を定期的に点検し、課題を適時に解消し、選挙に向けて最善の条件を整えるよう促しました。
書記長は、党組織、行政当局、そして全国1億人を超える有権者の決意により、今回の選挙が必ず成功し、党の意志と国民の願いが結びついた、真の意味での「国民の祭典」となり、強く豊かで幸福なベトナムという国家目標の実現を後押しするものになると確信を示しました。
