南アフリカで開催されたG20サミットの傍らで行われた、日本の高市早苗首相とインドのナレンドラ・モディ首相による初の対面会談は、両国が協調を強化し、「自由で開かれたインド太平洋」という共通ビジョンの推進に強い決意を示すものとなりました。両首脳は、アメリカとオーストラリアを含むクアッド(QUAD)をはじめとする枠組みでの緊密な連携を今後も継続する方針を確認しました。
南アフリカでの多忙な日程の中でも、高市首相はモディ首相との会談を優先し、両国関係をより深く実質的なものへと引き上げたいとの意向を伝えました。高市首相は、安全保障・防衛、経済協力、人的交流の各分野で具体的な成果を追求する決意を強調しました。両首脳はまた、半導体や人工知能(AI)、イノベーションや経済成長といった分野での協力を強化し、経済安全保障に関する実務的な連携をさらに進めていくことで一致しました。
南アフリカでの対面会談は、近年著しい発展を遂げ、アジアで最も重要な戦略的パートナーシップの一つとされる日印関係に新たな弾みをもたらしました。地理的な距離はあるものの、両国は多くの戦略的利益を共有しており、ルールに基づく国際秩序、航行の自由、海上安全保障を重視しており、インド太平洋地域の不安定化が進む中でその重要性は一層高まっています。日本とインドが防衛協力の強化を重視する姿勢は、新たな安全保障上の課題への対応に向けた確固たる基盤を築いています。
地政学的な変化が加速する中、日印両国は経済、防衛、科学技術、インフラ分野での包括的な協力こそが、地域の平和・安定・長期的成長の鍵であると繰り返し強調してきました。経済および科学技術協力を「パートナーシップの中核」と位置付け、両国は多くの共同イニシアティブを着実に推進してきました。日本によるインフラ、製造業、クリーンエネルギー、ハイテク分野のプロジェクトは、インドの経済発展の中で重要な役割を果たしています。
課題はあるものの、専門家の間では、日印パートナーシップは持続的かつ実質的な方向へ着実に進んでいるとの見方が広がっている。両国にもたらす経済・安全保障・開発面での利益に加え、より安定的で公正かつ包摂的な地域秩序の形成にも寄与しているとされている。
一方、インドは日本企業にとって、特にソフトウェアや情報技術分野で有望な市場であり続けています。両国の資本・技術・人材が結びつくことで、二国間の成長を後押しするするだけでなく、地域のバリューチェーン強化にも寄与しています。さらに、QUADやG20、インド太平洋協力枠組みといった多国間メカニズムへの積極的な参加により、両国は戦略的利益を守り、安定した地域環境づくりに貢献するための影響力を高めています。
力強い発展の勢いがある一方で、日印関係には依然としていくつかの課題も残っています。経済発展の水準や国家の優先課題の違いから、両国の政策アプローチが異なることがあります。また、地域における他の大国の影響力や地政学的な火種となる情勢の複雑化を踏まえると、日本とインドには柔軟な対応が求められます。特にインドは、インド太平洋重視のQUADと、多極化を主張する新興国グループBRICSの双方に参加しています。方向性の異なるこれらの枠組みをバランスよく活用することにおいては、従来からインドの戦略的巧妙さを示してきましたが、外部からの圧力が高まる中、今後はより一層の主体性と外交的手腕がインドに求められています。
課題はあるものの、専門家の間では、日印パートナーシップは持続的かつ実質的な方向へ着実に進んでいるとの見方が広がっています。両国にもたらす経済・安全保障・開発面での利益に加え、より安定的で公正かつ包摂的な地域秩序の形成にも寄与しているとされています。グローバル化と戦略的競争が進む時代にあって、日印関係は多国間協力の精神を体現するものであり、大国と新興国が協調して地域の平和・安定・繁栄を築く上でのモデルの一つとなっています。