人的被害については、これまでに67人が死亡または行方不明と報告されており、そのうち53人が死亡、14人が行方不明となっています。また、165人がけがをしました。被害の多くは土石流、土砂崩れ、倒木、竜巻、ボート転覆や漁船事故によるものです。
住宅にも甚大な被害が出ており、363棟が全壊または倒壊、174,211棟が損壊または屋根が吹き飛ばされ、64,399棟が浸水しました。被害は主に中部および北部の各省で発生しています。
農業分野では、約91,600ヘクタールの稲や農作物、50,268ヘクタールの森林、2,600頭以上の家畜と56万6,000羽を超える家禽が被害を受けました。養殖場の被害は17,521ヘクタールにおよびます。
インフラ面では、堤防に関する被害が50件、154kmにわたる用水路と204か所の灌漑施設が損傷し、33kmにわたる護岸が被害を受けました。北部山岳地帯および北中部地域では、約9,400か所で交通障害が起きました。
電力分野では、9,558本の電柱が折損または倒壊し、タインホア省、ゲアン省、ハティン省、クアンチ省で約270万世帯が停電しました。このうち240万世帯以上が復旧しましたが、依然として30万2,000世帯以上が停電しています。通信インフラも深刻な影響を受け、1,100基以上のBTS基地局が稼働停止しています。
さらに、1,515校の学校が被害を受け、83,406本の樹木が折損または倒木しました。12省・市の暫定的な経済損失は1兆6,510億ドンを超え、被害が大きかった順に、ハティン省(6,000億ドン)、トゥエンクアン省(3,000億ドン)、ラオカイ省(2,750億ドン)、ゲアン省(2,136億ドン)となっています。
被災地では引き続き被害状況の調査が進められており、早急な復旧作業や住民の生活支援、基幹産業やインフラの再建が急がれています。