ベトナム首相 台風フンシェンへの緊急対策を指示

ファム・ミン・チン首相は、今年に入り東海で12番目の台風となるフンシェンに備え、各省庁および地方行政区に対し、緊急かつ主体的な対応を指示する首相公電第200/CD-TTg号を発出しました。首相は、台風およびそれに伴う洪水への備えを強化するよう求めています。

台風フンシェンの進路予想図(写真:NCHMF)
台風フンシェンの進路予想図(写真:NCHMF)

10月20日午後1時の時点で、台風の中心は北緯18.3度、東経115.9度付近、ホアンサ特別区の東北東約460kmの海上に位置しており、最大風速はレベル9~10(時速75~100km)、最大瞬間風速はレベル12に達しています。

国家水文気象予報センターによりますと、台風は10月21日以降、寒気との影響を受けて進路や勢力を変化させる可能性があり、風速はレベル11、最大瞬間風速はレベル13にまで強まると予想されています。10月22日から26日にかけては、中部地域、特にハティン省からクアンガイ省にかけての広い範囲で、断続的かつ激しい大雨が続く見込みで、一部の地域では総雨量が900ミリを超える可能性があります。このため、局地的な土砂災害や洪水の危険性が非常に高まっています。

首相は、今回の台風が進路や勢力の変化が予測しづらい不安定な台風であり、各地で断続的な大雨、鉄砲水、深刻な土砂災害を引き起こすおそれがあることを強調しました。

首相は、国防省、公安省、農業・環境省、建設省、商工省に加え、ハティン省からダクラク省までの沿岸各省に対し、最高レベルの警戒態勢と対応策を講じるよう強く求めました。関係当局には、最悪の事態を想定した上で住民の安全を確保し、財産被害の最小化に努めるよう指示しています。

各地方行政区には、すべての船舶の動向を把握し、危険海域からの退避や回避を指示するとともに、土砂災害、鉄砲水、浸水の恐れがある地域の住民を避難させるなど、主体的な対応を取るよう指示が出されました。

ダムや貯水池の安全確保、水力発電および灌漑システムの水位調整、下流域住民の保護など、直ちに必要な対策を講じるよう求めています。

首相はまた、農業生産や水産養殖の保護にも言及し、農家に対しては早期収穫や資産の確保を促し、被害の軽減を図るよう求めました。

首相は、各省庁および地方行政区に対し、孤立の恐れがある地域に必要な物資や機材を備蓄し、迅速な救助・支援活動が行える体制を整えるよう求めました。また、台風の動向や安全対策に関する情報発信を強化し、国民への周知徹底を図るよう指示しています。

農業・環境省は、気象予報の正確かつ迅速な提供、貯水池や灌漑施設の保護、および貯水池間の安全な運用の調整を担当します。建設省と商工省は、インフラや建設現場、水力発電所、工業施設の安全確保に努めます。一方、国防省と公安省は、避難支援や緊急対応に備えています。

国家民間防衛委員会事務局は、全国的な対応の調整を担い、ベトナムテレビ、ベトナムの声放送局、ベトナム通信社は、最新情報と国民への指針を迅速に提供します。

チャン・ホン・ハ副首相が実施状況を監督し、政府事務局は対応状況を監視して最新の状況について首相に報告します。

VNA
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