ベトナムとブルネイ 共同声明を発表

ベトナムとブルネイは、ハサナル・ボルキア国王の11月30日から12月2日までのベトナム国賓訪問に際し、共同声明を発表しました。

ルオン・クオン国家主席(右)とブルネイのハサナル・ボルキア国王(写真:VNA)
ルオン・クオン国家主席(右)とブルネイのハサナル・ボルキア国王(写真:VNA)

以下は共同声明の全文です。

ベトナム・ブルネイ共同声明

ベトナム社会主義共和国のルオン・クオン国家主席の招待により、ブルネイ・ダルサラーム国のハサナル・ボルキア国王が、2025年11月30日から12月2日まで国賓としてベトナムを訪問した。

訪問中、国王は歓迎式典に臨み、ルオン・クオン国家主席と公式会談を行い、ベトナム共産党中央委員会のトー・ラム書記長、ファム・ミン・チン首相、国会議長チャン・タイン・マンへの表敬訪問も行った。

両国首脳は、それぞれの国の社会経済の状況に言及し、2019年に関係を包括的パートナーシップへ格上げして以降、二国間関係が実質的かつ着実に進展していることを評価した。両首脳は、2023年から2027年までのベトナムとブルネイの包括的パートナーシップ実施行動計画の重要性を強調し、その着実かつ効果的な実現に向け、緊密に協力していくことで一致した。

両首脳は、政治、防衛・安全保障、貿易・投資、エネルギー、教育、文化・社会、人的交流、その他の共通関心分野、ならびに多国間枠組みでの協力を含むあらゆる分野での協力を強化させていく方針を確認した。

政治分野での協力

両国は、政治的信頼と相互理解を深めるため、国家、政府、国会、国民、地方を含むあらゆるチャネルでのハイレベル代表団の定期的な交流と接触の維持の重要性を確認した。あわせて、2027年のベトナム・ブルネイ外交関係樹立35周年を記念する活動の実施で合意した。また、外相が共同議長を務める二国間協力合同委員会(JCBC)や、既存の対話・分野別協力メカニズムの有効性も確認した。

防衛・安全保障分野での協力

両首脳は、両国防衛省および軍隊間の協力が、2005年の防衛協力覚書、2013年の海軍協力覚書の実施、両国軍隊間の合同防衛作業部会(JDWG)会合の設置・維持、共同訓練や研修による将校・職員の専門能力向上、海上安全保障・防衛産業・サイバーセキュリティ・テロ対策・防衛情報交換の推進、ベトナム海上警察とブルネイ海上法執行機関の協力模索など、様々な分野で前向きな成果を上げていることを評価した。

双方は、ASEAN国防相会議(ADMM)、ADMMプラス、ASEAN軍司令官会議(ACDFM)、ASEAN地域フォーラム(ARF)など、ASEANの枠組みを中心とする多国間の国防分野の会合で、引き続き緊密に連携し、相互に支え合っていくことで一致した。

また、両首脳は、対話や経験・情報交換を通じた海洋協力の推進、1982年国連海洋法条約(UNCLOS)をはじめとする国際法に基づく海洋安全保障課題への対応を図り、安全かつ安心な海洋の確保で合意した。

両首脳は、麻薬密輸、人身売買、不法移民、テロ、サイバー犯罪、マネーロンダリングなどの国際組織犯罪対策における情報・経験共有を通じた公共の安全分野での協力の重要性を再確認した。さらに、ASEAN越境犯罪担当大臣会合(AMMTC)、ASEAN国家警察長会議(ASEANAPOL)、ASEAN情報コミュニティ会議(AICC)など、地域協力の進展を評価した。両首脳は、国境を越える犯罪の防止・対処、犯罪人引き渡し、受刑者移送に関する協定の交渉を含む、二国間およびASEANの枠組みでの安全保障協力が前進していることを歓迎した。また、ハノイで行われた国連サイバー犯罪条約の署名式を歓迎し、条約の批准に向けた国内手続きの調整を進め、早期発効に寄与していくことで一致した。

経済分野での協力

貿易:両首脳は、2025年までの目標としていた貿易額5億ドルを前倒しで達成したことを評価し、2035年までに双方向貿易額を倍増させることを目指し、輸出入品目の多角化や貿易の均衡化に向けて緊密に連携していくことで合意した。

双方は、貿易促進を強化するとともに、農林水産物を含む分野で連携を深め、両国の企業・業界団体の交流を一層活発化させることを促した。また、税関手続きの改善や、双方が締結する自由貿易協定(FTA)の活用など、二国間貿易を円滑化する方策を検討していくことで合意した。さらに、食料安全保障の観点から、米の貿易協力について対話を継続し、輸入業者の相互利益につながる協力の機会を広げることにも前向きな姿勢を示した。両首脳はまた、BIMP-EAGAやメコン地域の枠組みを通じて、両国企業が貿易や貨物輸送の活動を強化することを奨励した。

投資:ベトナム側は、国際金融センターの開発を目的とした事業へのブルネイ投資庁(BIA)やブルネイの各組織・投資家による投資を円滑に進めるため、必要な支援を提供する方針を確認した。ブルネイ側は、ベトナム企業がブルネイで事業を拡大することを歓迎し、特に「ワワサン2035」の目標や優先分野に沿った分野での活動を支援する意向を示した。

デジタル経済:両首脳は、デジタル経済、グリーン転換、循環型経済など新分野での協力推進、優良事例の共有、能力強化、関係機関・組織・企業間の連携促進、研究機関・大学間の研究協力メカニズム構築で合意した。

ハラール分野での協力:両首脳は、ハラール産業分野での協力の大きな可能性を認識し、両国のハラール認証機関間の相互認証に向けた協力推進で一致した。ベトナムは、ブルネイ企業によるハラール工業団地建設やハラール食品・製造プロジェクトへの投資を奨励した。ブルネイは、ベトナム企業や地方行政機関が、両国国内市場および第三国への輸出を目的としたハラール基準食品の生産・加工でブルネイ側と協力することを奨励した。両国は、ハラール食品生産に関する優良事例やプロセスの共有、専門家の能力強化のための人材育成や経験共有プログラムの実施で合意した。

農業・水産分野:両首脳は、農業・水産・食料安全保障分野での協力強化、企業・大学・研究機関間の交流・研究協力推進で一致した。ブルネイは、ベトナム企業による農業・水産・食料安全保障分野への投資拡大を、相互利益に基づく企業・パートナーとの協力強化を通じて支援し、地域の食料供給網の強靭性確保を目指すことを表明した。ブルネイは、ベトナムからの水産分野への投資、現地登録企業との合弁事業を歓迎し、競争力・透明性・持続可能性のある水産業の発展を目指す意向を示した。

両首脳は、違法・無報告・無規制(IUU)漁業対策に関する情報交換と協力強化で合意した。ブルネイは、ベトナムによる水産資源管理と持続可能な取り組みの強化を評価し、ベトナムと欧州委員会との協議の前向きな進展に期待を示した。

エネルギー分野での協力

両首脳は、両国のエネルギー企業が国際法および相互尊重・平等・相互利益の原則に基づき、石油・ガス分野で商業ベースの協力を進めることを歓迎した。特に、ベトナム国家石油・エネルギーグループ(PVN)とブルネイ・エナジー・サービス&トレーディング(BEST)による石油・ガス取引・サービス、ミッドストリーム・ダウンストリーム分野での協力強化、関連機関間の継続的な交流を奨励した。ブルネイは、ベトナム企業のさらなる参画、貿易・投資機会の拡大を歓迎した。

ブルネイは、PetroVietnam Drilling and Well Service Corporation(PV Drilling)がブルネイの石油・ガス産業で掘削サービスを提供していることを高く評価した。両国は、PV Drillingとブルネイのパートナー間の協力拡大を奨励し、必要に応じて手続きの円滑化を支援することを確認した。

両首脳は、専門知識の交流、人材育成、ビジネス・投資協力の強化、サービス・機会の相互検討などを通じて、エネルギー転換分野での協力をさらに強化することで合意した。

人的交流

両首脳は、教育機関間の学生・教員交流、共同研究、人材育成プログラム、文化活動、インターンシップを通じた協力強化で合意した。また、ブルネイ・ダルサラーム大学(UBD)でのベトナム語講座開設が、相互理解と人的交流の深化に寄与していることを歓迎した。

両首脳は、スポーツ・文化活動、地域・国際観光イベントやプロモーション活動を通じた連携強化、航空路線の拡充による実質的な協力促進と人的交流の深化の可能性についても確認した。

両首脳は、議会間交流を通じた協力推進、特に地域・国際問題に関する議会間フォーラムでの緊密な連携継続で一致した。適切な時期に、ベトナム・ブルネイ友好協会およびブルネイ・ベトナム友好協会の設立も検討していく。

地域・国際問題

両首脳は、国連憲章に規定された原則および国際法に基づく多国間主義とルールに基づく国際秩序の維持が、平和・安全・繁栄・持続可能な発展のために重要であることを強調した。この観点から、両国は、特にASEANおよび既存のASEAN主導メカニズム、国連、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、非同盟運動(NAM)などの地域・国際フォーラムでの優れた協力と緊密な協議に満足の意を表した。ブルネイは、2027年のAPEC議長国を務めるベトナムへの揺るぎない支持を表明した。両国は、世界貿易機関(WTO)を含むグローバル機関の強化・改革を支援し、共通の利益促進と世界・地域・サブリージョンの課題解決に引き続き連携することを再確認した。

両首脳は、地域的な包括的経済連携(RCEP)、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)などの自由貿易協定への参加を通じて、相互利益のある成果を確保するための協力推進で合意した。

両首脳は、ASEANの中心性と結束の強化の重要性を強調し、ASEAN共同体構築プロセスの推進、ASEAN共同体ビジョン2045およびその戦略計画の効果的な実施、貿易・投資・デジタルトランスフォーメーション・イノベーション・科学技術・気候変動対応・連結性・食料・水・エネルギー安全保障など共通関心分野でのASEANとパートナー間の協力拡大・深化に向けた連携強化の方針を確認した。

両首脳は、サブリージョン開発が地域統合およびASEAN共同体構築において重要かつ補完的な役割を果たすこと、特に経済統合の強化と開発格差の縮小分野で重要であることを強調し、サブリージョンの成長をASEAN全体の発展と連携させ、サブリージョン協力枠組みとの関係強化を通じて、ASEAN共同体における持続可能・包摂的・公平な発展を推進していく姿勢を示した。

両首脳は、海洋や海に関するすべての活動の法的枠組みを定める1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)をはじめ、国際法を順守することの重要性を強調した。双方は、東海における平和・安全・安定、航行と上空飛行の自由を維持するとの立場を再確認し、同海域を平和・安定・繁栄の海として保つことが各国に利益をもたらすとの認識を共有した。両首脳はまた、自制と非軍事化の重要性を指摘し、情勢を複雑化させたり緊張を高めたりする恐れのある行動を控えるべきだと強調した。さらに、国際法、特にUNCLOSに基づき、威嚇や武力行使に訴えることなく、法的・外交的手続きを尊重した平和的な紛争解決を追求していくことを確認した。

両首脳は、関係国が地域の信頼醸成と相互信頼の強化に向け、冷静で平和的かつ協力的な環境づくりを進めることが重要だと強調した。この観点から、2002年の東海行動宣言の完全かつ効果的な履行の重要性を再確認し、国際法、特に1982年のUNCLOSに沿った、実効性と実質性を備えた東海行動規範の早期妥結に期待を示した。

今回の訪問中、両国は以下の文書に署名した。ブルネイ・ダルサラーム国政府とベトナム社会主義共和国政府間の海洋協力に関する覚書、ベトナム社会主義共和国農業・環境省とブルネイ・ダルサラーム国一次資源・観光省間の違法・無報告・無規制漁業対策のためのホットライン情報交換に関する覚書、同じく両省間の水産分野協力に関する覚書である。

両首脳は、友好と相互理解の精神に基づく率直かつ建設的な意見交換が行われたことに満足の意を表し、今後も共通関心分野での協力強化に期待を示した。国王は、今回の訪問中にベトナムの指導者および国民から受けた温かい歓迎に感謝の意を表し、ベトナムの指導者に対し、適切な時期にブルネイを訪問するよう招待した。

VNA
Back to top