大きな転換点
2025年10月8日、FTSEラッセルは、ベトナム株式市場がフロンティア市場から新興国市場への格上げに必要なすべての公式基準を満たしたことを確認しました。これは、ベトナムが透明性が高く、現代的かつ効率的な証券市場を国際基準に沿って構築するという、党と国家の方針に基づいた包括的な改革努力を重ねてきたことが国際的に認められる、重要な節目となります。
この転換点は、ベトナム株式市場にとって、より深く、より広範な改革が求められる新たな発展段階の幕開けでもあります。今後の長期的な目標達成に向けて、国家証券委員会はFTSEラッセルと緊密に連携し、公式な移行プロセスが計画通りに進むよう努めるとともに、法的枠組みのさらなる整備、インフラの近代化・デジタル化、そしてグローバル金融市場への一層の統合を推進していきます。
2025年10月8日の発表後、FTSEラッセルは市場動向を引き続き注視し、2026年3月の中間レビュー前に関係者からの意見を積極的に取り入れることで、2026年9月に予定されている公式な格上げが計画通り実施されるようにします。
ベトナムは2018年からこの格上げに向けて準備を進めてきました。FTSEラッセルの格上げモニタリングリストに初めて掲載された際、ベトナム株式市場は「決済サイクル」と「失敗取引処理の方法・コスト」の2つの基準を満たしていませんでした。2024年には、ベトナム株式市場の管理機関が事前入金不要の取引モデルを導入し、外国機関投資家の事前入金要件を正式に撤廃、失敗取引処理の公式プロセスも確立しました。
FTSEラッセルのインデックス・ガバナンス・ボード(IGB)は、ベトナムにおける外国人投資家の取引制限に関する市場分類諮問委員会の意見も検討しました。IGBによりますと、これらの制限は必須基準ではないものの、外国人投資家のアクセス向上は格上げ成功のための重要な条件とされています。
この見解は、ベトナムの証券市場管理機関が、外国の機関投資家が世界的な証券会社を通じて取引できる仕組みの構築に向けて取り組んでいることを評価し、認めたものです。この取り組みにより、ベトナム市場は国際基準に一層近づくと期待されており、取引相手リスクの軽減や、信頼性の高い仲介業者との関係構築を通じて投資家の信頼感の向上が見込まれています。
さらなる外国資本流入の好機
FTSEラッセルからの好意的な発表を受け、証券各社は今後のベトナム株式市場の今後の成長見通しについて楽観的な予測を示しました。
VPBank証券株式会社(VPBankS)の市場戦略ディレクター、チャン・ホアン・ソン氏によりますと、今回の格上げによりベトナムは世界の投資システムへの統合をより一層深めることが可能となり、パッシブファンドおよびアクティブファンドの双方からの強力な外国投資資金の流入を呼び込むことが期待されるとのことです。
VPBankSの試算では、ベトナムがFTSE新興市場指数の約0.5%を占めた場合、外国資本流入総額は早期に30億~70億米ドルに達する可能性があります。
新たな資金流入の増加により、市場の流動性が大幅に向上すると予想されており、1日あたりの平均取引額は現在の8億6,000万米ドルから20億~30億米ドルへと増加する見通しです。
さらに重要なのは、今回の格上げが単なる金融面での意義にとどまらず、ベトナムの国際社会における経済的地位やイメージの向上にもつながる点です。外国資本の流入に伴い、上場企業は財務報告の透明性向上、コーポレートガバナンスの標準化、市場資本規模の拡大、そして新規株式公開(IPO)の加速が見込まれています。これらの利点を最大限に活用できれば、株式市場は経済資金調達の重要なチャネルとなり、2025年のGDP成長率8%超の達成や、その後の二桁成長に向けた力強い後押しとなることが期待されます。
SSI証券株式会社のグエン・ズイ・フン会長は、「格上げはあくまで第一歩に過ぎない」と述べました。
「今後の課題は、FTSEで公平に競争し、次のステップとしてMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)による新興市場入りを目指すことだ」と述べました。
HSBCグローバル・リサーチは、ベトナム株式市場の格上げ後、潜在的な外国資本流入が34億~104億米ドルに達する可能性があると予測しています。
財務省によりますと、今回の格上げは株式市場の効率性向上を目指す多くの開発目標の一つであり、経済にとって重要な資金調達チャネルとしての役割を強化し、資本市場の発展を支え、企業の資金調達を促進し、経済成長を後押しするものです。
グエン・ドゥック・チ財務副大臣は、格付けプロセスは継続的かつ長期的に維持されるべきであり、最終的な目標は、経済・企業・中長期資本市場を効果的に支える安定的かつ透明性の高い証券市場の発展であると強調しました。