改正個人所得税法によりますと、基礎控除額は現在の月1,100万ドンから1,550万ドン(約590ドル)へと引き上げられます。納税者はこのほか、法定の社会保険料や慈善・人道目的の拠出金についても控除を受けることができます。
現在、社会保険料の自己負担分は課税所得の10.5%に相当しています。このため、月収が約1,700万ドンの単身者は、2026年から個人所得税が課されなくなり、現行制度と比べて月当たり約21万ドンの負担軽減となります。扶養家族控除も月620万ドンへと引き上げられ(現行は440万ドン)、扶養家族が1人で月収2,400万ドンの納税者も非課税となります。
高所得者層も、税率体系が従来の7段階から5段階へと再編され、課税所得区分が見直されることで恩恵を受けます。例えば、扶養家族が1人で月収3,000万ドンの場合、適用税率は現行の15%ではなく5%となり、月々の税額は96万8,000ドンから29万5,000ドンへと大幅に減少します。扶養家族1人で月収5,000万ドンの場合の税額は約430万ドンから約184万ドンに、月収1億ドンの場合は550万ドン以上減って約1,250万ドンになる見込みです。
専門家は、今回の改正における大きな新機軸として、医療費や教育費の控除を初めて認める点を挙げています。政府が詳細な実施指針を定め次第、納税者は本人および扶養家族にかかる一定の医療・教育関連支出を控除できるようになります。
これは、生活に不可欠な支出負担を軽減すると同時に、医療や教育への社会的投資を促す「人間中心」の改革だと評価されています。法務・財務分野の専門家の間では、重篤な疾病に関する正当な医療費については全額控除を認める一方、一般的な医療費や教育費については公平性と事務の実行可能性を確保するため、合理的な上限を設けるべきだとの意見も出ています。
また、扶養家族に関する制度の見直しを求める声も強まっています。現行制度では、月収が100万ドン以下でなければ扶養家族として認定されませんが、生活費の上昇や最低賃金の引き上げを踏まえると、この基準は時代にそぐわず現実的ではないとの見方が一般的になっています。専門家は、2026年からの扶養控除額(月620万ドン)に合わせて認定基準を引き上げるか、少なくとも実際の扶養状況に応じた部分的な控除を認めるべきだと提言しています。