ガソリン車から電気自動車への移行:インフラ整備が最優先

2026年7月1日から環状道路1号線内、2028年1月1日から環状道路2号線内で化石燃料車の通行制限および禁止に向けた計画を進めるためには、ハノイ全域の電力インフラと連携した充電ステーション網の計画・整備が極めて重要となります。

ハノイ市は、住民の需要に応えるため、充電ステーションの設置場所を早急に計画し、建設を進める必要がある。(写真:ヴァン・ホック)
ハノイ市は、住民の需要に応えるため、充電ステーションの設置場所を早急に計画し、建設を進める必要がある。(写真:ヴァン・ホック)

充電施設不足への懸念

ガソリンバイクの走行制限に関する情報を受け、特に集合住宅の居住者の間で、電気自動車向けの充電設備や駐車スペースが著しく不足していることへの懸念が高まっています。ホアン・リエット地区にあるHHリン・ダム集合住宅の管理組合は、地下駐車場での電動バイクおよび電動自転車の受け入れを停止する文書を発出しており、住民や管理組合の不安が現実に即した懸念であることを裏付けています。

複数の集合住宅管理組合の代表によりますと、地下駐車場は当初、電気自動車の充電を想定して設計されていないにもかかわらず、住民が車両を駐車し、その場で充電しているケースがあるといいます。自ら延長コードを使ったり、コンセントを分岐接続して充電するケースも見られ、電動バイクや電動自転車の台数が急増すれば、火災予防・消火の面で深刻なリスクを招きかねません。ホアン・リエット地区在住のレー・ハイ・ロンさんは、「移行自体は必要だが、充電や駐車の過程での住民への支援が不可欠だ。充電ステーションは、利用しやすく合理的な場所に設ける必要がある」と話しています。

ハノイ建設局によりますと、市内には現在約1,000か所の充電ポイントがありますが、その多くは中心部に集中しており、依然として市民の需要を十分に満たしていません。この状況を受け、ハノイ建設局のダオ・ヴィエット・ロン副局長は、市が多くの困難と課題に直面していると述べました。第一に、充電インフラが限られていることを挙げ、現時点で充電ステーションやコネクターの統一規格がなく、異なる車両ブランド間で充電施設の共有が難しい状態になっているということです。第二に、特に市街地において、電力網や充電ステーションネットワークの包括的なマスタープランが存在しないことを挙げました。

ロン副局長はまた、充電インフラへの投資の社会化について、管理やサービス価格を規定する具体的な法的枠組みが欠如していると指摘しています。同時に、電動車両の耐久性や走行距離に対する懸念も残っていると述べました。

一部地域での過剰供給と他地域での不足という現状を避けるため、専門家の多くは、市内126の区・社(コミューン)と連携し、設置場所、用地面積、土地の由来を精査・決定する主導機関の設置が必要だと指摘しています。これは、用地転換や充電ステーション建設計画の基礎となるものです。

電力供給について、ハノイ電力公社の代表者は、現状の供給能力であれば、交通分野のエネルギー転換を十分に支えることができると述べています。しかし、2026~2030年の期間には需要が大幅に増加するため、毎年建設される充電ステーションの数や容量を明確に把握し、効果的な電力調整を図る必要があるとしています。

科学的かつ利便性の高い充電ステーション配置

持続可能なグリーン開発の軌道を確保するため、多くの専門家は充電インフラを法制化すべきだと主張しています。国家交通安全委員会元副事務局長のクオン・キム・タオ博士は、集中型充電ステーションの計画に加え、ハノイでは新築マンションに充電ステーション設置を義務付ける規定の検討が必要だと提案しています。充電ステーションの建設は、送電線と一体的に整備され、安全かつ利便性の高い場所に設置されなければならないとしています。「電動バイクが普及すれば、家庭での充電も可能だが、メーカーは詳細な指針を示し、設置時には現地で点検・指導を行うべきだ」と強調しました。

また、ベトナム都市計画・開発協会副会長のゴー・チュン・ハイ氏は、諸外国の事例として、中国では地下駐車場などの密閉空間での電気自動車充電を禁止していることを紹介し、ベトナムでも居住空間から火災・爆発リスクを完全に切り離す管理が必要だと提言しました。そのため、大規模な屋外充電エリアやバッテリー交換拠点の整備が望ましいとしています。

交通システムの「グリーン化」には、インフラ整備が先行しなければなりません。多くの専門家は、電力供給を確保する「エネルギーベルト」を構築し、電動車両へのエネルギー供給の「生命線」とする必要があると指摘しています。

ハノイ市人民委員会のグエン・マイン・クエン副主席は、建設局に対し、充電ステーションに関する規定、基準、技術規格の包括的な見直しを主導するよう指示しました。充電ステーションの整備は、市全体で一貫性を確保する必要があり、充電ステーションの設置を希望する企業は、建設局と連携し、基準を満たすステーションの整備や、要件を満たさないステーションの撤去を進め、充電ステーションのマスタープランを早期に完成させることが求められています。

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