首相 中南部地域の洪水被災地支援に向けた全国民の団結を呼びかけ

ファム・ミン・チン首相は、11月24日にハノイで開催された「全民族大団結-ベトナム文化遺産週間2025」の開幕式で演説し、直近の洪水で被害を受けた中南部の地方へのさらなる支援を全国民に呼びかけました。

ファム・ミン・チン首相が、「全民族大団結-ベトナム文化遺産週間2025」の開幕式で挨拶した。(写真:VNA)。
ファム・ミン・チン首相が、「全民族大団結-ベトナム文化遺産週間2025」の開幕式で挨拶した。(写真:VNA)。

ベトナム中部および中部高原地域で発生した一連の洪水がもたらした深刻な被害について、冒頭で報告が行われました。映像では、カインホア、ラムドン、ザーライ、ダクラクの4省で発生した痛ましい被害の状況が示され、死者・行方不明者は102人、家屋の全壊・流失は332棟、損壊は933棟に上り、またコメを含む作物約8万2,000ヘクタールが失われたことが報告されました。経済的損失は現時点の推計で13兆ドン(4億9,287万ドル)を超える見込みです。

ファム・ミン・チン首相と出席者らは、犠牲となった人々に黙とうを捧げました。

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ファム・ミン・チン首相(左から2人目)は、企業が洪水被災者を支援するための寄付金を贈呈するのを見届けた。(写真:VNA)

首相は、全国民に対し中部地域を支援するために団結し、実践的な行動を起こし、被災地の人々と共に歩むよう呼びかけました。首相は、連帯、思いやり、「誰一人取り残さない」という精神を発揮し、各地が災害の影響を乗り越えられるよう力を合わせるように訴えました。

首相は、このイベントがベトナムの刷新と発展の過程における重要な節目である第14回全国党大会に向けて国が準備を進める中で行われるもので、特別な意義を持つと述べました。また、ベトナム祖国戦線(VFF)の設立95周年記念(1930年11月18日~2025年)や、ベトナム文化遺産の日(11月23日)とも重なり、中部地域への連帯の精神が込められていると強調しました。

首相は「文化が存続する限り、国家も存続する」という原則を強調し、党、国家、国民がベトナムの文化的価値と伝統を継承・発揮するために尽力してきたことに言及しました。数千件に及ぶ有形・無形の遺産が記録され、国家レベルで認定されており、多くの伝統的な祭りや工芸、民間知識が復元され、次世代へと継承されてきたことを指摘しました。あわせて、文化観光が成長し、観光産業が重点経済分野として位置づけられる一助となっていることにも触れました。

また、文化的価値の保存と発揮は歴史的責任であると同時に、若者の教育や持続可能な未来構築の基盤であると述べ、文化保存を長期的な課題として、政治システム全体で共有すべき責任であると呼びかけました。

さらに、職人や工芸村、文化関連企業への支援政策の強化、遺産保存と持続可能な観光との連携強化、特に少数民族地域における基礎的な文化施設の充実を求めました。また、若者への全国民の強固な団結力に関する教育の推進、文化遺産を学校や地域活動に取り入れ、次世代が自国のアイデンティティをより深く理解し誇りを持てるようにする必要性を強調しました。

イベントでは、ベトナム祖国戦線中央委員会が文化・スポーツ・観光省と連携し、組織、企業、個人に対し、今回の洪水で被害を受けた中部および中部高原地域のコミュニティへの支援を呼びかけ、総額5405億ドン(約2,050万ドル)を集めました。この寄付金は直接VFFに手渡されました。

また、会場スクリーンにはQRコードが表示され、来場者や視聴者、一般の人々も被災者への連帯の気持ちを寄せることができるようになっています。

「一つに団結して-ベトナム中部へ」をテーマに掲げた本イベントは、ベトナム民族文化観光村で開催されており、54の民族グループの豊かな文化的アイデンティティを称え、過去を振り返り、現在を祝福し、未来への希望を育む機会となっています。民族コミュニティが交流し、学び合い、現代的な文化生活を築き、困難な時期における全国民の強固な団結力を強める意義深い機会となっています。

会場では、第2回ムオン族文化フェスティバルも開かれ、古く多様な文化を受け継ぐ国内有数の民族であるムオン族の文化遺産が多彩に紹介されています。

VNA
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