駐ベトナム日本大使 ベトナムとの強固な関係維持・強化の方針を表明

駐ベトナム日本国大使の伊藤直樹氏は、日本がベトナムとの関係を維持・強化し、さらに深化させていくという揺るぎない決意を強調するとともに、ベトナムの発展、改革、国際社会への参画の過程において、引き続きベトナムと共に歩んでいく姿勢を改めて表明しました。

駐ベトナム日本国大使の伊藤直樹氏(写真:VNA)
駐ベトナム日本国大使の伊藤直樹氏(写真:VNA)

ベトナムと日本が「アジアと世界における平和と繁栄のための包括的戦略的パートナーシップ」を樹立してから2周年(2023年11月27日〜2025年11月27日)を迎えるにあたり、伊藤直樹大使は、両国の多方面での協力が大きな成果を上げていることを強調するとともに、今後の二国間関係をさらに前進させるための方向性を示しました。

政治的信頼の強化と地方レベルでの協力拡大

伊藤大使は、「アジアと世界における平和と繁栄のための包括的戦略的パートナーシップ」へと格上げしてから2年が経過し、ベトナムと日本の関係は「かつてないほど緊密になった」と述べ、政治対話やハイレベル交流の顕著な進展を挙げました。

今年10月に就任した日本の高市早苗首相は、すでに3回、ベトナム指導部と会談しています。クアラルンプールで開催されたASEAN首脳会議でのファム・ミン・チン首相との会談、APEC首脳会議でのルオン・クオン国家主席との会談、そして直近では南アフリカで開かれたG20サミットでのファム・ミン・チン首相との会談です。双方は、「包括的戦略的パートナーシップ」の枠組みの下で二国間協力を引き続き強化していく方針を確認しました。

これに先立ち、石破茂前首相が4月に公式訪問し、ベトナムが「新時代」に進む中で進めている改革の方向性に対する日本の支持を表明し、ベトナムは日本にとって不可欠なパートナーであると改めて強調しました。石破前首相、そして現在の高市首相の下でも、日本はベトナムとの揺るぎない関係を強化していく姿勢を引き続き堅持しています。

議会レベルでは、チャン・タイン・マン国会議長が昨年12月に日本を訪問し、二国間関係の強化に重要な貢献を果たしました。その後も、マン議長は小渕優子氏率いる日越友好議員連盟をカントー市に招待し、投資促進セミナーの開催など、議会間協力を積極的に推進しています。

日越議員連盟の指導者らは、レー・ミン・フン政治局員・党中央委員会書記・越日友好議員団長とも会談し、両国の次世代議員間の交流拡大に向けた道を開きました。

こうした政治的基盤の上に、地方間協力も力強く拡大し、二国間関係の「新たな潮流」となっています。11月24日から25日にかけてクアンニン省で開催された「ベトナム・日本地方協力フォーラム」には、日本側の16の地方、ベトナム側の31省・市の代表が参加し、ファム・ミン・チン首相とレー・ホアイ・チュン外相も出席しました。

これほど多数の代表団が双方から参加したのは初めてであり、地方レベルの協力への関心が高まっていることを示すものです。地方間協力は、経済発展の促進や投資連携の強化につながると期待されています。

高市首相はフォーラムに寄せたメッセージの中で、日本の地方自治体が持つ地域づくり、産業、観光、人材育成の経験は、ベトナムの発展プロセスに実践的な貢献をもたらすと強調しました。

実質的協力の新たな柱

伊藤直樹大使によりますと、石破前首相のベトナム訪問の際に特定された主要な協力分野であるデジタル転換、グリーン転換、半導体、イノベーションは、いずれも重要な進展を遂げています。

半導体分野では、ベトナムは2030年までに博士号レベルの研究者500人の育成を目指しており、日本はその約半数にあたる250人を国際研究協力プログラムを通じて受け入れることを約束しています。

このプログラムは今年9月から両国の5大学間で実施されており、今後3年半で63人のベトナム人博士課程学生を日本で受け入れる計画です。また、日越大学では10月に半導体チップ技術専攻が新設され、現在106人が在籍しています。

イノベーション分野では、10月1日から3日に開催された「ベトナム・イノベーションデイズ」において、日本と国家イノベーションセンター(NIC)が「VietLeap AI Accelerator」プロジェクトを立ち上げ、ベトナムのAIスタートアップ11社の資金調達や事業運営を支援しています。

グリーン・エネルギー協力では、両国はアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)イニシアティブの下、再生可能エネルギーやLNG発電を含む総額約200億ドルの15件の投資プロジェクトを推進しています。

昨年12月以降、ベトナムと日本の間で4回のハイレベルAZEC会合が開催され、各プロジェクトで大きな進展が見られています。国際協力銀行(JBIC)は、ベトナム投資開発銀行(BIDV)と覚書を締結し、ベトナムの脱炭素化を支援しています。

国際協力機構(JICA)は、気候変動適応やグリーントランジション支援のため、メコンデルタでの質の高い低排出米生産促進や防災強化を含む3億ドル超のプログラムローンを検討しています。

日本が実施している主要な戦略的インフラ事業も引き続き大きな効果を生み出しています。ホーチミン市メトロ1号線の開業、イオン・ハイズオン商業センターの着工、ハノイ北部スマートシティ計画、イエンザ排水処理場の完成、クアンチ省の風力発電所、オーモン4火力発電所の建設開始、そしてハノイ都市鉄道2号線の着工などが挙げられます。

伊藤大使によりますと、トー・ラム書記長の指導の下で進められている改革は、二国間の経済協力を促進しています。今年、ファム・ミン・チン首相と日本企業の間で2回の対話が行われ、10年以上使用された機械の投資ライセンス延長を可能にする規定改正など、課題解決に向けた前進がみられました。

現在、ベトナムでは2,000社を超える日本企業が事業を展開しており、日本貿易振興機構(JETRO)の調査によりますと、その約60%が今後1〜2年で投資拡大を計画しているということです。2025年1月から10月の二国間貿易額は前年同期比11%増の425億ドルに達し、年間では初めて500億ドルを超える見通しです。投資額も同期間で18%増加しました。

人的交流も活発で、2025年1月から10月までの間のベトナムから日本への渡航者は58万人、日本からベトナムへの訪問者は68万人に上り、年間の双方向交流は140万人に達する見込みです。

経済分野にとどまらず、安全保障・防衛分野での協力も拡大しています。12月には、東京で初めて両国の副大臣級「2+2」対話が開催され、地域の戦略課題、防衛産業協力、装備移転、そして政府安全保障能力強化支援(OSA)などについて協議する予定です。海軍・海上保安機関の交流も継続されています。

刑事司法分野では、伊藤大使は、2020年に両国が犯罪人引き渡し条約に署名したことに触れました。今月初めに、この条約に基づき、ベトナム人被疑者が初めてベトナムへ引き渡されました。これは両国の協力が新たな段階へ進んでいることを示すものです。

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