ベトナムのクリスマス、信仰・文化・国民的結束が織りなす祝祭

クリスマスは「主の降誕」とも呼ばれ、イエス・キリストの誕生を祝う日として、多くの国で家族の団らんや愛の分かち合い、家庭や地域社会に温かく喜びに満ちた雰囲気をもたらす行事として広く祝われています。

ホアンキエム区にあるハノイ大教会周辺は、2025年のクリスマスに向けて装飾が施されている。(写真:VNA)
ホアンキエム区にあるハノイ大教会周辺は、2025年のクリスマスに向けて装飾が施されている。(写真:VNA)

ベトナムにおいても、クリスマスは民族的な伝統と国際的な文化要素が融合した行事として定着しており、ベトナムならではの独自の祝い方が形づくられています。

クリスマスは16世紀、西洋から宣教師が伝来した際にベトナムにもたらされました。長らくは主にカトリック信徒の宗教行事として行われてきましたが、ここ数十年の間に、その位置づけは大きく変化しました。現在では、信仰の有無や宗教の違いを超えて、多くの人々が参加する文化的な年中行事となっています。

ベトナムのクリスマスは、他国とは異なり、地域の文化や日常生活に根ざした形で祝われているのが特徴です。ハノイ市イエンホア区に住むファム・ティ・ホアさんは、カトリック信徒にとってクリスマスは、12月24日の夜および25日に教会でのミサや賛美歌を通じて厳かに祝われる大切な日だと話します。集いや贈り物の交換にとどまらず、自らを見つめ直し、キリスト教の教えに沿って愛と思いやりをもって生きることを再確認する機会でもあると述べました。

祝祭期間中には、ハノイ大教会(聖ヨセフ大聖堂)ハムロン教会クアバック教会などの主要教会で、さまざまな行事が行われます。教会の内部や周辺は、降誕場面の飾り付けやクリスマスツリー、イルミネーションで華やかに彩られ、多くの参拝者や写真愛好家を引きつけます。また、多くの教区では、貧困層や社会的弱者、路上生活者を支援する慈善活動も実施されています。

一方、カトリック信徒ではない人々、特に若者にとっても、クリスマスは年末の風物詩として親しまれています。ハノイ国家経済大学の学生、ファム・ザー・バオさんは、クリスマスはベトナムの伝統的な祝日ではないものの、友人たちと教会やハンマー通りなどを訪れ、にぎやかで開放的な雰囲気を楽しむのが恒例になっていると語りました。

現在、ベトナムには27のカトリック教区と700万人以上の信者が存在し、人口の7%以上を占めています。また、7,000人以上の聖職者と約3万人の修道士がいます。このコミュニティは国の発展に積極的に貢献し、宗教的・社会的な生活を豊かにしています。

多宗教国家であるベトナムは、全国民の強固な団結力を重視し、信仰と宗教の自由を尊重・保障する政策を一貫して追求しています。近年、党や国家の指導者はクリスマスの時期に全国のカトリック聖職者やコミュニティを訪問し、祝意を伝えるとともに、全国民の団結の精神を再確認しています。こうしてクリスマスは、国家が宗教生活を尊重していることを示すだけでなく、国民の持続的な精神的価値観や社会的結束を反映する、共有された祝祭となっています。

VNA
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