ライチャウ省のハーニー族は、主にトゥールム、ターバ、ムーカ、フアブム、フォントォー、ザーオサーンといった省内の国境地帯の社(コミューン)に居住しています。ライチャウ省に存在する20の民族の中で、ハーニー族は人口の約4%を占め、強い民族的アイデンティティと豊かな文化遺産を有しています。現代生活の影響により、多くの伝統的価値観が消失の危機に瀕していましたが、2021年にライチャウ省党委員会が「観光発展と結びつけた文化的アイデンティティの保存・発揮に関する決議第04-NQ/TU号」を発出して以降、ダー川源流域のハーニー族コミュニティは、祖先から受け継いだ遺産の復興・保全・伝承に積極的に取り組み、持続可能な発展への新たな原動力を生み出しています。
行政区画の統合後、トゥールム社には17の村で5,200人以上が暮らしており、そのうち90%以上がハーニー族で、ラーフー族やザオ族と共生しています。トゥールム社人民委員会の副主席のリー・チュイ・フー氏によりますと、現在社には約200人が所属する15の文化芸能チームがあり、そのうち14チームがハーニー族によるものです。「これほどまでに文化・芸術活動が活発になったのは、かつてないことだ」とフー氏は語ります。
毎週末、カーラン村のクラブメンバーは文化会館に集まり、練習を重ねています。歌声は竹笛、銅鑼、太鼓、三弦琴の音色と溶け合い、活気あふれる雰囲気を醸し出します。舞台芸術の保存だけでなく、地元住民は羽根蹴り、ブランコ、独楽回し、綱引き、棒押しなど多くの伝統的な遊戯も守り続けており、民族色豊かなダイナミックな文化空間を形成しています。
70歳のシー・フー・プー氏は、かつてこの地域で最も優れた民謡歌手と称され、歌だけでなく口琴、太鼓、三弦琴の演奏にも長け、若い世代への指導にも熱心です。近年、ハーニー族の文化芸能チームはホーチミン市で開催された「ライチャウ文化・観光週間」や「ベトナム・ラオス・中国三国のコン投げ祭り」などの大規模イベントにも参加しており、ハーニー族文化が党や国家からますます注目されていることを実感していると語ります。
トゥールム社の文化担当官であり、主要な太鼓奏者でもあるマー・リー・ファー氏によりますと、太鼓はハーニー族の精神生活において特別な位置を占めています。太鼓は季節の最初の雷鳴を象徴し、新たな作付けの年の到来を告げます。多くの太鼓舞踊は、荒地の開墾、村の建設、種まきや収穫の過程を模倣し、豊作と平和な生活への信仰を表現しています。
省党委員会の決議第04号と並び、少数民族・山岳地域社会経済発展のための国家目標プログラムの「プロジェクト6」も、文化保存に重要な推進力をもたらしています。毎年、各文化芸能チームには楽器や衣装、小道具の購入や指導活動のために2,000万ドンの支援が行われています。この支援により、特に伝統舞踊を中心とした多くの文化的価値が復活し、なかでもハーニー族の「ソエ踊り」は地域社会で力強く広がっています。
ムーカー社では、3,590行・11部からなる叙事詩「サーニャーカー」が、特に貴重な精神的遺産として長年受け継がれてきました。伝統的に、伝承者や長老たちが主要な儀式の際に一晩かけて口承で伝えてきましたが、伝承者の多くが亡くなり、消失の危機が現実のものとなっています。2022年、故ポー・ロン・トー氏がムーカー、カーラン、トゥールムの各社の20人に伝承を行い、2023年にはムーカー社にハーニー族民謡・舞踊保存クラブが設立され、24人の会員が定期的に活動しています。
最近では、文化・スポーツ・観光省は、「サーニャーカー」の民俗芸能および口承芸術、ならびにハーニー族の「ソエ踊り」を国家無形文化遺産リストに認定する決定を発出しました。これは、ハーニー族文化の独自性と北西部国境地帯におけるその持続的な生命力を示す重要な節目となります。
毎年、ハーニー族コミュニティは「ガ・マ・トゥー」(森の祭祀)、「テト・レ・ク・チャ」(雨季の祭り)、「テト・ホ・ス・チャ」(伝統的な正月)などの伝統儀式を継続しており、共同体の結束を示すとともに、民族文化の保全・継承に努めています。
民俗芸能の担い手の一人、68歳のリー・ナ・ソー氏は、遺産は歌や踊り、習慣だけでなく、一人ひとりの意識や保存への責任感にも宿ると語ります。したがって、ハーニー族文化の保護はコミュニティだけの課題ではなく、国のアイデンティティ豊かな先進的ベトナム文化の構築という道のりにおいて、社会全体が担うべき共通の責任であり、その価値が今後もライチャウの大森林に響き続けることが期待されています。