ハノイで国連サイバー犯罪防止条約の署名式が開幕

サイバー犯罪に関する国連条約(ハノイ条約)の署名式およびハイレベル会合が、「サイバー犯罪への対処―責任の共有―未来の安全保障」をテーマに、国家会議センターで正式に開催されました。

ルオン・クオン国家主席(前列中央)、アントニオ・グテーレス国連事務総長(左から5人目)、および各代表団の首脳らが署名式に出席した。(写真:VNA)
ルオン・クオン国家主席(前列中央)、アントニオ・グテーレス国連事務総長(左から5人目)、および各代表団の首脳らが署名式に出席した。(写真:VNA)

ベトナムのルオン・クオン国家主席が行事を執り行い、国連のアントニオ・グテーレス事務総長をはじめ、約110か国の首脳や高官、国連機関、地域機構、金融機関など多くの国際機関、さらにサイバーセキュリティや国際法分野の専門家、学者が参加しました。

開会に先立ち、クオン国家主席は、サイバー犯罪に関する国連条約署名式およびハイレベル会合に出席する各国代表団の団長を迎える公式歓迎式典を主催し、記念撮影に臨みました。その後、国家主席と各国代表は、ベトナム通信社(VNA)が主催する写真展を視察しました。この展示では、ベトナムの国と人々、発展の成果、さらに国連活動への積極的な貢献やベトナムと国連との関係が紹介されました。

クオン国家主席とグテーレス国連事務総長が開会のあいさつを行い、その後、60か国の代表が、国連法務局(OLA)主催の公式署名式で「ハノイ条約」に署名します。

サイバー犯罪に関する国連条約は、非伝統的安全保障、気候変動、持続可能な開発といった地球規模の課題に包括的に対応するための法的枠組みを構築する必要性が高まったことを受け、2019年に国連によって提唱されました。5年にわたる交渉を経て、2024年12月24日、国連総会で全会一致により正式に採択されました。

同条約は全9章・71条で構成されており、サイバー犯罪という世界的な脅威への防止と対策に包括的に取り組むとともに、人権の原則を擁護するものです。従来の犯罪捜査手法を情報通信技術環境に適応させることで、技術的・法的な課題に対応しつつ、国際的な協力の強化を図っています。

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ハノイ条約署名式を祝うステージパフォーマンス(写真:VNA)

この条約の起草過程を通じて、ベトナムは積極的かつ主体的な役割を果たしてきました。ベトナムは、国連開発計画(UNDP)、世界保健機関(WHO)、国連薬物犯罪事務所(UNODC)などの専門家を招いた多数の国際ワークショップを開催し、条約の内容策定に大きく貢献しました。これらの議論では、サイバーセキュリティ、環境保護、貧困削減といった重要分野に焦点が当てられました。

後発開発途上国向けの支援メカニズムの提案や、気候変動への配慮を盛り込むといったベトナムの提案は、国際社会から強い支持を得ました。これにより、条約はより地球規模で意義のある文書として発展することに大きく寄与しました。

国連が条約署名式の開催地としてハノイを選んだことは、ベトナムの多国間外交における歴史的な節目であり、約50年にわたるベトナムと国連の協力関係の象徴となりました。ベトナムの地名が、国際的な関心が高い地球規模の多国間条約と結びつけられるのは今回が初めてです。

この選定は、ベトナムが多国間主義を積極的に推進する国際社会の信頼できる提唱者であり、グローバルなデジタルガバナンスの枠組みづくりに参画する主体であり、サイバー空間におけるサイバーセキュリティおよび国家主権の擁護者としての国際的地位と信頼の高まりを改めて示すものです。また、これはベトナムがデジタルトランスフォーメーション戦略を効果的に実施するための基盤を築くものであり、繁栄と発展の新たな時代への道を切り開くものです。

国連サイバー犯罪防止条約の署名式およびハイレベル会合の枠組みの中で、ファム・ミン・チン首相とアントニオ・グテーレス国連事務総長が共同議長を務める全体会合が開催されます。

また、プログラムでは、デジタル変革時代における市民保護、オンライン詐欺への国際協力、能力構築を柱としたサイバー犯罪防止条約の実施、仮想資産やマネーロンダリング事案における電子証拠の捜査・収集経験の共有など、多岐にわたるハイレベルの二国間会談やサイドイベントも予定されています。

また、行事日程の中には、デジタル変革時代における市民の保護、オンライン詐欺への国際的協力、能力構築を柱とした国連サイバー犯罪防止条約の実施、仮想資産やマネーロンダリング事案における電子証拠の収集および捜査の経験共有などをテーマとする一連のハイレベル二国間会談や関連イベントも含まれています。

VNA
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