ベトナム首相 関西地方との協力拡大を提案

ファム・ミン・チン首相は、日越関西友好協会に対し、同地域の大学、研究機関、研修センターとベトナム側の機関との連携を強化することで、科学技術分野および質の高い人材育成における協力をさらに推進するよう呼びかけました。

ファム・ミン・チン首相(右)と日越関西友好協会会長の西村貞一氏(写真:VNA)
ファム・ミン・チン首相(右)と日越関西友好協会会長の西村貞一氏(写真:VNA)

チン首相は、11月3日にハノイで行われた日越関西友好協会の西村貞一会長との会談で、同協会がこれまで約30年にわたりベトナムを支援し、関西地域で暮らす10万人を超えるベトナム人への支援を行ってきたことに感謝の意を表しました。

首相は、幅広い分野で発展を続ける日越包括的戦略的パートナーシップを喜ばしく評価し、両国は高い政治的信頼関係にあると述べました。日本は依然としてベトナムにとって最大の政府開発援助(ODA)供与国であり、2024会計年度末時点で約230億ドルに達しています。また、労働分野では最大の協力国であるとともに、第3位の投資国、第4位の貿易・観光パートナーであり、双方向の貿易額は481億8,000万ドルに上っています。

チン首相は、科学技術、イノベーション、質の高い人材育成が、双方が積極的に推進する新たな協力の柱として浮上していると述べました。また、地方間交流や人的・文化的交流もますます活発かつ緊密になっていると指摘しました。現在、日本に在住するベトナム人は63万人を超え、ベトナム国内では2,000社以上の日本企業が事業を展開しています。

首相は、二国間関係における関西地域の重要性を強調し、関西の企業は日本の対ベトナム投資総額の約30%、二国間貿易額の約25%を占めていると述べました。さらに、関西はベトナムとの地方間交流でも日本をリードしており、10以上の地方と友好関係を築いていると紹介しました。

歓迎会の様子(写真:VNA)
歓迎会の様子(写真:VNA)

チン首相は西村会長および日越関西友好協会に対し、日越包括的戦略的パートナーシップの実質的かつ効果的な発展に引き続き貢献するよう呼びかけました。

また首相は、特に関西の企業に対し、ベトナムへの投資拡大を促しました。とりわけ、製造業、裾野産業、ハイテク農業、バイオテクノロジー、デジタルトランスフォーメーション、グリーントランスフォーメーションといった分野での技術移転を重視するよう求めました。さらに、経済交流や人的交流の促進に向け、代表団の相互訪問を活発化させるとともに、ベトナムでの桜祭りの開催や、関西地域とベトナム各地方との地域間協力の拡大にも尽力するよう呼びかけました。

首相は、ベトナム政府は、特に関西地域の企業をはじめとする日本企業がベトナムで事業を展開し発展できるよう、あらゆる支援を惜しまないと述べました。また、関西で暮らし、働き、学ぶベトナム人コミュニティへの支援を今後も続けていくよう、同協会に求めました。

一方、西村会長は、設立から30年にわたり、同協会が日越関係の発展に積極的に貢献してきたと述べました。これまでに、大阪でのベトナム総領事館設立の支援や働きかけを行うとともに、両国企業の連携促進や日本からベトナムへの投資支援、さらには文化・スポーツ交流、関西で学ぶベトナム人留学生への支援など、ベトナムの魅力を広く発信する多彩な活動を展開してきたと紹介しました。

西村会長はまた、今後もベトナムの潜在力や優位性、投資機会を日本企業や投資家、関係者に発信し続けると誓い、これらの活動が二国間関係に貢献できるよう、ベトナム政府および首相の支援を要請しました。

これまで様々な立場でチン首相と会談してきたことを振り返り、西村会長および随行メンバーは、今後も日本企業の対ベトナム投資や協力を促進し、地方間交流の促進や、人材育成をはじめとする首相提案の重点分野での協力拡大に努めていく決意を表明しました。

VNA
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