ベトナム首相 第28回ASEAN・日本首脳会議に出席

ファム・ミン・チン首相は、10月26日午後に開催された第28回ASEAN・日本首脳会議に、ASEAN加盟国の首脳および日本の高市早苗首相とともに出席しました。

ファム・ミン・チン首相がマレーシアで開催された第28回ASEAN・日本首脳会議で発言(写真:VNA)
ファム・ミン・チン首相がマレーシアで開催された第28回ASEAN・日本首脳会議で発言(写真:VNA)

ファム・ミン・チン首相は発言の中で、デジタル時代におけるグリーンで包摂的かつ包括的な変革に向けた経済連結の強化を呼びかけ、ASEAN・日本自由貿易協定(FTA)の早期改定を促しました。さらに、デジタル経済やグリーン経済、持続可能なサプライチェーンの分野での協力を優先し、ASEAN・日本航空協定の早期締結を進める必要性を強調しました。

また、教育・人材育成、医療、科学技術、環境保護といった分野での協力を一層推進し、とりわけ質の高い人材育成、デジタル・AI技術の活用、予防医療体制の強化を通じて、開発格差の是正に努めるよう提案しました。

チン首相はさらに、活発な文化交流の促進を提案するとともに、日本に対し、ASEAN諸国への原子力分野および安全分野における技術移転と人材育成の強化を要請しました。

また、地域の平和・安全・安定の維持、特に国際法および1982年国連海洋法条約(UNCLOS)に則った紛争の平和的解決の重要性を強調しました。チン首相は、朝鮮半島の恒久的な平和と安定を促進するため、ASEANが建設的な役割を果たし、ASEAN主導の枠組みを通じて関係各国間の対話を促進する用意があることを改めて表明しました。

ASEAN首脳らは、日本が同地域の最も古く、最も信頼できるパートナーの一つであることを強調しました。両者の協力関係は実質的かつ力強く発展しており、実践的で互恵的な包括的戦略的パートナーシップの模範となっています。これまでに、ASEANと日本は「友好とパートナーシップに関する共同ビジョン声明」に基づく130項目の行動計画のうち、108項目を完了しています。

現在、日本はASEANにとって第4位の貿易相手国であり、第5位の外国投資国です。2024年には双方向の貿易額が2,366億米ドル、投資額が175億米ドルに達しました。日本の「共創」構想、「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」、および「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」などの地域協力の取り組みは、双方の国民に具体的な利益をもたらしています。

今後、ASEANと日本は、デジタルトランスフォーメーション、イノベーション、クリーンエネルギー、教育、医療、サイバーセキュリティ、気候変動への対応、食料安全保障、持続可能な農業といった分野での協力を優先し、「ASEAN・日本統合基金(JAIF 3.0)」を活用してプロジェクトの実施を支援していく予定です。

ASEAN諸国はまた、日本と協力して「ASEAN・日本包括的経済連携協定(AJCEP)」の強化を目指し、「地域的な包括的経済連携(RCEP)」を効果的に実施したいとの意向を表明しました。さらに、日本に対し、「ASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)」の実施、「ASEANパワー・グリッド(APG)」の実現、「ASEAN感染症対策センター(ACPHEED)」および「医療物資地域備蓄制度」の円滑な運営への支援を求めました。加えて、ASEAN統合イニシアティブ(IAI)第5期行動計画(2026〜2030年)の推進、サブリージョン間の協力、そしてASEAN域内の開発格差の是正に向けた連携強化についても協力を呼びかけました。

首脳らは、国際法およびルールに基づく多国間貿易体制の維持への強い意志を再確認し、地域の平和・安全・安定を維持するためには、対話と協力、信頼醸成の促進、そして国際法に基づく平和的な紛争解決が重要であることを強調しました。

また、ASEANと日本は、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」のさらなる推進と実施に関する共同声明を採択しました。

発言の中で、高市早苗首相は、日本がインド太平洋に関するASEANの展望(AOIP)」を最初に支持した国であり、今後も引き続き支持していくことを確認しました。さらに、日本は自国の主要戦略や協力プログラムを「ASEAN共同体ビジョン2045」と整合させながら、ASEANと協力して、平和と安定、将来に向けた社会経済的創出、そして次世代のための“心と心の絆”というASEAN・日本協力の3本柱を一層推進していとのコミットメントを強調しました。

高市首相はまた、海洋安全保障、サイバーセキュリティ、国際犯罪対策、安全・安心・信頼できるAIエコシステムの構築、防災、教育・研修の推進など、具体的分野での協力強化を提案しました。

VNA
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