まず初めにチン首相は、経済・貿易・投資分野の連携を、グリーン化・デジタル化・循環型・持続可能な方向へと強化することの重要性を強調しました。
 また、ASEAN・韓国自由貿易協定(AKFTA)の改定交渉を開始するとともに、グリーン経済、デジタル経済、人工知能(AI)、サプライチェーンといった新たな分野への協力拡大を提案しました。
チン首相は韓国に対し、技術移転の拡大、高度人材育成への支援、テック企業の連携強化、および再生可能エネルギー、スマートインフラ、グリーン農業分野におけるAI開発を促進するよう提案しました。また、ASEAN諸国の企業、特に中小企業のグローバル・サプライチェーンへの参加支援や、メコン・韓国協力の枠組みを含む地域開発協力の強化を呼びかけました。
次に、首相は観光、文化遺産経済、クリエイティブ産業、映画・音楽・エンターテインメントなどの文化産業を中心に、文化・教育および人的交流をさらに深化させることを提案しました。また、人材育成プログラムや職業教育の拡充、そしてASEAN諸国の国民が韓国で学び働くためのより良い機会の創出を優先すべきだと強調しました。
首相はさらに、ASEANと韓国が地域の平和、安全、安定、繁栄のための貢献を一層強化し、東海を平和・協力・持続可能な発展の海とするために、共通の利益と責任を堅持する必要があると強調しました。
チン首相はまた、韓国政府による南北対話と協力の再開、朝鮮半島の非核化への努力を支持し、平和で安定し繁栄する朝鮮半島の実現に向けて積極的に関与する用意があることを表明しました。この機会に、チン首相はイ・ジェミョン大統領と韓国が2025年のAPEC首脳会議議長国として成功を収めることを祈念しました。
首脳会議では、2024年に包括的戦略的パートナーシップへ格上げされて以降、ASEAN・韓国関係がダイナミックに発展してきたことが確認されました。韓国はASEANの第5位の貿易相手国、第7位の海外直接投資(FDI)供給国であり、2024年の双方向貿易額は2,082億米ドル、韓国からのFDIは76億米ドルに達しました。
首脳らは、韓国がASEANの協力メカニズムに積極的に参加し、2021–2025年行動計画の95%が実施されたことを高く評価しました。韓国・ASEANデジタルアカデミーや韓国・ASEANデジタルイノベーションフラッグシップ(KADIF)などのプロジェクトは、域内のデジタル能力強化と人材育成に寄与しています。
急速かつ複雑に変化する地域・国際情勢の中、首脳らは関係強化、相互信頼の醸成、両地域の発展と共通利益のための協力深化へのコミットメントを改めて確認しました。この方針に基づき、ASEANと韓国は2026-2030年行動計画の実施を開始し、2026年にはASEAN・韓国自由貿易協定(AKFTA)の高度化に向けた協議を開始します。これには、グリーン経済、デジタル経済、サプライチェーン強靭化といった新たな高度分野での協力が盛り込まれる予定です。
双方はまた、デジタルトランスフォーメーション、イノベーション、クリーンエネルギー、重要鉱物、持続可能な環境、海洋安全保障、サイバーセキュリティ、国際犯罪対策など戦略的分野での協力拡大でも合意しました。
イ・ジェミョン大統領は発言の中で、ASEANの中心性とインド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)への強い支持を改めて表明し、韓国の将来ビジョンをASEANの「強靭で革新的、かつ人を中心とした共同体」という構築目標と一致させる考えを示しました。
韓国は今後も、ASEANデジタル経済枠組み協定の実施、ASEANパワーグリッドの開発、開発格差の縮小、地域連結性の強化に向けてASEANを支援していく方針です。