団結し、強靱に発展するASEANを目指して

2025年のASEAN議長を務めるマレーシアのアンワル・イブラヒム首相の招待を受け、ファム・ミン・チン首相は、10月25日から28日までマレーシア・クアラルンプールで開催される第47回ASEAN首脳会議および関連首脳会議に、ベトナムの高官代表団を率いて出席しています。

ファム・ミン・チン首相(写真:VGP)
ファム・ミン・チン首相(写真:VGP)

過去30年間にわたり、ASEANの一員としてベトナムは常に、同連合との関係を外交・安全保障・経済政策における最優先事項の一つとして位置づけてきました。
今回のファム・ミン・チン首相の訪問は、団結し、平和で強靱かつ包摂的で持続可能なASEANを築くための、ベトナムのたゆまぬ努力と強い決意を改めて示すものです。

第47回ASEAN首脳会議および関連会合は、世界情勢が急速かつ複雑に変化し、先行きが予測しづらい中で開催されており、ASEANの結束と今後の発展にさまざまな課題を突きつけています。

しかし、設立から約60年を経た今も、ASEANは揺るぎない姿勢を保ち、多国間協力の模範として輝き続けています。特に「ASEAN共同体ビジョン2045」の採択や、東ティモールの正式加盟による11か国体制への拡大など、具体的かつ前向きな成果が数多く達成されました。

中国、韓国、インドなどとの自由貿易協定(FTA)ネットワークを通じて、域内外の経済連携が一層強化されています。また、ASEANの各種協力メカニズムには、パートナー諸国から引き続き強い支持と関心、積極的な参加が寄せられており、これは国際社会がASEANの役割と能力に高い信頼と評価を寄せていることを示しています。

2025年の議長国であるマレーシアの下、ASEANは「ASEAN 2025年のテーマ」に沿って、包摂的で持続可能な共同体の構築に向けた取り組みを積極的に進めています。このテーマは、「誰一人取り残さず、すべての人に平等な発展の機会を保障する」というASEANの強いメッセージを体現しています。

マレーシアで開催される第47回ASEAN首脳会議は、東ティモールの正式加盟をもって加盟国が11か国となる歴史的な節目を迎えます。連合の拡大は、ASEANの持続的な魅力を示すだけでなく、包摂性を強化し、強靭性を高めるものです。

過去30年間にわたり、ベトナムとASEANは数々の節目を共にしてきました。直近では、今後20年間のASEANの発展に新たな章を開く「ASEAN共同体ビジョン2045」が採択されました。これは、急速に変化する世界の中で主体的に行動するASEANの姿勢を示すものであり、強靱で活力にあふれ、革新的で人々を中心としたASEANを築くという加盟国の決意と責任を改めて裏付けるものとなっています。

ASEAN加盟以来、ベトナムはその国際的地位と実力の高まりとともに、ASEANにおける不可欠な役割と影響力ある発言力を確立してきました。ベトナムにとってASEAN加盟は、平和で安全な環境を維持し、発展の空間を広げ、国際的地位を高めるうえで戦略的な意義を持っています。一方、ASEANにとっても、ベトナムの積極的な貢献は、結束力と強靱性、そして戦略的自立性を確保するうえで欠かせない要素となっています。

第47回ASEAN首脳会議および関連会合において、ベトナム代表団は引き続き、平和と安定の維持、関係や市場の多様化、ASEAN連結性の強化など、共通の取り組みに積極的に貢献していく方針です。また、ベトナムは東ティモールのASEAN参加を歓迎し、同国がASEAN共同体に積極的に統合していけるよう支援していくことを約束しています。

ベトナムのASEAN加盟30周年は、歴史的な節目であると同時に、ASEANのビジョンと志を現実のものとするため、他の加盟国と肩を並べて歩むというベトナムの揺るぎない決意を改めて示すものです。ASEANが次の発展段階へと進む中で、ベトナムも新たな国づくりの時代を迎えており、ASEANの目標を実現し、協会および加盟国全体の成功に引き続き貢献していくという使命と責任を深く自覚しています。

ファム・ミン・チン首相のマレーシアでの第47回ASEAN首脳会議および関連会合への出席は、責任感、主体性、創造性を重んじるベトナムの姿勢を明確に示すものであり、安定的で持続可能かつ包摂的なASEAN共同体の構築に貢献し、ASEANが加盟国の人々にとっての「共通の家」となることを目指す強いメッセージを発信しています。

NDO
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