訪問中、アブドラ国王と随行団は、ホー・チ・ミン主席の霊廟およびハノイの英雄烈士記念碑に献花し、敬意を表しました。
ルオン・クオン国家主席は、国王の公式歓迎式典を主催し、会談を行いました。また、トー・ラム書記長、ファム・ミン・チン首相、チャン・タイン・マン国会議長もヨルダン国王と会談しました。
アブドラ国王とブイ・タイン・ソン副首相は、ベトナム・ヨルダンビジネスフォーラムに出席しました。訪問期間中、レー・ホアイ・チュン外務大臣とヨルダンの副首相兼外務大臣は、ベトナム外交学院とヨルダン外交研究所との協力に関する覚書に署名しました。
会談や各種会合において、ベトナム側指導者は、ベトナムとヨルダンが、国の独立と解放を目指す強靭さや決意など、多くの共通の価値観を有していることを強調しました。ベトナムはヨルダンとの多分野協力を重視しており、その促進に強い意欲を持って、実質的かつ効果的に発展させていきたいと述べました。また、両国は、二国間協力をさらに強化する大きな潜在力を有しており、これは両国民のみならず、ASEANおよび中東地域全体にも利益をもたらすと指摘しました。さらに、ベトナムは、中東諸国、特に地域で戦略的地位を持つヨルダンとの関係強化に力を入れていくと述べました。
アブドラ国王は、特に両国の民間部門間での包括的な協力推進への強い意欲を表明しました。また、政治的信頼のさらなる強化、防衛・安全保障協力の拡大、科学技術分野での知見共有、国民同士の交流促進による相互理解を深めたいと述べました。
両国の指導者は、特にハイレベルの代表団交流を通じた政治的信頼の強化の重要性で一致しました。また、両国外務省間で署名された覚書を着実に実施し、さらなる協力メカニズムの構築を加速させるとともに、二国間協力の一層の強化に向けて、各国に名誉領事を早期に任命することで合意しました。
双方は、こうした政治的信頼を基盤に、防衛・安全保障分野のほか、情報共有や関連機関間の人材交流を拡大し、相互理解を深めるとともに、共通関心分野での経験共有を進めていくことで一致しました。
また、双方は互いの主要品目の市場アクセスを促進し、企業が投資や協力の機会を模索できるよう後押しすることを確認しました。特に、インフラ開発、グリーン経済、デジタル経済、通信分野、農産物の生産・加工などでの協力を奨励し、スタートアップやイノベーション分野での連携強化にも取り組む方針です。アブドラ国王は、両国間の直行便開設の可能性や、双方の国民に対するビザ手続きの緩和について検討することを提案しました。
ベトナムは、主要製品のヨルダンへの輸出拡大に意欲を示しました。一方、ヨルダンは、情報・経験の共有、ハラール認証取得の支援、ベトナム産ハラール製品の市場開放などを通じて、ベトナムのハラール産業発展を支援する姿勢を示しました。また、双方は、ヨルダンが強みを持つ医療分野、特に遠隔医療や医療サービスへの技術導入に関する協力を強化する方策についても意見を交わしました。
教育・人材育成分野では、特に科学技術、人工知能、半導体など新興分野における学生交流や学術協力の強化で一致し、両国の若い世代に新たな機会を創出する潜在力があると評価しました。
多国間フォーラムでの協力については、国際機関の役職選出で互いの候補を支援することで一致し、アラブ連盟とASEAN間の協力促進の架け橋となることでも合意しました。また、東海問題を含む国際・地域の共通関心事項についても意見交換を行いました。
ベトナムとヨルダンの良好な関係45年を基盤に、アブドラ国王の今回のベトナム訪問は両国関係における歴史的な節目となり、協力の新たな段階を開き、共通関心分野での連携を一層発展させる土台を築くものとなりました。