ホーチミン市 イタリアとベトナム・ASEANの架け橋に

ホーチミン市人民委員会主席のグエン・ヴァン・ドゥオック氏は11月13日、同市がイタリアとベトナム、さらにはASEAN地域全体をつなぐ「架け橋」としての役割を果たす用意があると述べました。

ホーチミン市人民委員会主席グエン・ヴァン・ドゥオック氏と駐ベトナム・イタリア大使マルコ・デッラ・セタ氏との会談の様子(写真:VNA)
ホーチミン市人民委員会主席グエン・ヴァン・ドゥオック氏と駐ベトナム・イタリア大使マルコ・デッラ・セタ氏との会談の様子(写真:VNA)

ドゥオック主席は、ベトナム・ホーチミン市で開催された第9回ASEAN・イタリア経済関係ハイレベルフォーラムに出席したイタリア大使マルコ・デッラ・セタ氏およびイタリアの各機関、団体、企業の代表団との会談の中で、こうした考えを示しました。

同主席は、イタリアがホーチミン市にとって欧州の主要な貿易相手国の一つであり、2025年上半期の双方の貿易額は約4億5,000万ドルに達したと述べました。また、イタリアは同市への投資国・地域129のうち24位に位置し、登録投資額は約1億3,500万ドルに上ると紹介しました。

また、再生可能エネルギー、交通、物流、給水・排水、環境管理などの分野で、資金調達や信用保証、戦略的インフラ整備に関するイタリアとの協力が一層強まることへの期待を表明しました。また、官民パートナーシップ(PPP)モデルの拡大に加え、開発研究や技術移転での連携促進にも意欲を示しました。

さらに、ドゥオック主席は、同市に国際金融センターが開設される予定であることを踏まえ、イタリアとベトナム、特に南部の中心都市であるホーチミン市との協力が、今後さらに力強く、効果的に発展していくとの確信を示しました。

デッラ・セタ大使は、同市の活気ある成長に注目し、ハイテク、物流、造船などの分野で協力の大きな可能性があると述べました。また、同市が地域の主要な金融ハブへと発展することに対し、イタリアとしても高い関心を持っていると強調しました。大使はさらに、駐ベトナム・イタリア大使館およびホーチミン市の総領事館が、イタリア企業の同市との関係拡大を積極的に支援し、共通の経済発展目標の実現に向けて取り組んでいくと述べました。

同日、ホーチミン市では第9回ASEAN・イタリア経済関係ハイレベルフォーラムが開催され、ASEANおよびイタリアから官民の代表、専門家、国際機関の代表など500人以上が参加しました。

開会の挨拶で、ベトナムのレー・ホアイ・チュン外務大臣は、同国が責任あるASEAN加盟国として、地域の統合と持続可能な発展の歩みに寄り添ってきたことを改めて強調しました。ベトナムは、ASEANにおけるイタリアの最大の貿易相手国であり、欧州投資家にとって戦略的な玄関口であることを誇りに思うと述べました。

同大臣はまた、ASEANが6億8,000万人の人口と4兆ドルを超えるGDPを持つ、世界第5位の経済圏である重要性を指摘しました。ASEANは世界のサプライチェーンの中核的な役割を担い、地域の安定と成長を支える重要な推進力になっていると述べました。

チュン氏は、イタリアがASEANの開発パートナーとして公式に認定されたことが、双方が経済・貿易関係の深化、知識共有、持続可能な発展への取り組みを強化するという共通の意思を示す、戦略的な前進であると述べました。

また、ベトナムの2021~2030年国家発展戦略についても言及し、「市場経済制度の整備」「質の高い人材の育成」「整備されたスマートなインフラ構築」という三つの戦略的突破口を基盤としていると説明しました。これらの優先事項は、ベトナムの成長を強化するだけでなく、ASEANとイタリアの新たな協力機会を切り開くと強調しました。

ドゥオック主席は、同市がイタリアや欧州と協力し、2050年のネットゼロ実現に向けたグリーン経済、再生可能エネルギー、スマートインフラ、持続可能な物流、都市計画の分野で連携を深める用意があると改めて表明しました。また、教育、研究、研修、文化、創造的観光といった分野でも協力を呼びかけました。

フォーラムの参加者らは、今後の協力に向けた四つの戦略的方向性として、ネットゼロ実現への道筋、スマート製造(4.0〜5.0)、次世代インフラ、そしてイノベーションとデジタルトランスフォーメーションを掲げることで一致しました。

ヨーロピアン・ハウス=アンブロゼッティのシニアパートナー兼取締役であるロレンツォ・タヴァッツィ氏は、今回のフォーラムが従来の貿易から、技術と創造性に基づく高付加価値協力への転換点となり、グリーンバリューチェーン、研究開発(R&D)センターの設立、ハイテクスタートアップ育成、スマート物流回廊の共同開発の基盤を築くものだと述べました。

イタリアは現在、欧州連合(EU)諸国の中でベトナムの第3位の貿易相手国です。2025年1〜7月の二国間貿易額は43億ドルに達し、前年同期比5.1%増となりました。また、イタリアはベトナムで162件の投資プロジェクトを展開しており、登録投資額は6億2,400万ドルを超えています。ベトナム企業によるイタリアでの投資は11件で、総額は約70万ドルとなっています。

VNA
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