ベトナムとチェコの友好と協力の関係を引き続き育む

チェコ上院議長のミロシュ・ヴィストゥルチル氏は、国会議長チャン・タイン・マン氏の招待を受け、11月18日から22日までベトナムを公式訪問しています。

チェコのミロシュ・ヴィストゥルチル上院議長
チェコのミロシュ・ヴィストゥルチル上院議長

今回の訪問は、ベトナムとチェコが外交関係樹立75周年(1950~2025年)を迎える節目に行われるもので、ベトナムが一貫して、チェコを中東欧における最優先のパートナーの一つと位置づけ、伝統的友好関係と戦略的パートナーシップの深化を重視している姿勢を示しています。

ベトナムとチェコは1950年2月2日に外交関係を樹立しました。両国の長きにわたる良好な伝統的友好関係は、過去75年にわたり両国の指導者と国民によって絶え間なく育まれてきました。チェコは、世界で最初にベトナムを承認し外交関係を樹立した10か国の一つであり、中東欧地域で初めてベトナムと戦略的パートナーシップを結んだ国です。ベトナム国民は、民族解放闘争時代にチェコが示した誠実かつ献身的な支援、そして現在の国づくりと発展への協力に対し、常に深い感謝の念を抱いています。

近年、ベトナムとチェコの関係は様々な分野で着実に発展しています。両国は、特にハイレベルを含むあらゆるレベルでの代表団の往来を定期的に維持し、国際機関においても緊密に連携し、相互に支援しています。2025年1月のファム・ミン・チン首相によるチェコ公式訪問の際、両国は関係を戦略的パートナーシップへと格上げし、飛躍的な進展を遂げるとともに、二国間関係をさらに深化させる新たな機会を切り開きました。

両国の議会協力も、実質的かつ効果的に強化・発展しています。両国は代表団の往来や二国間交流を維持し、列国議会同盟(IPU)やASEAN議員会議(AIPA)などの地域・国際議会フォーラム、さらには国際・地域の共通関心事項においても緊密に連携しています。

こうした強固な友好と政治的信頼の基盤の上に、ベトナムとチェコの協力は多くの成果を上げています。チェコはベトナムにとって中東欧地域における主要な貿易相手国の一つであり、ベトナムはチェコにとってASEANで最も重要なパートナーです。チェコは、EU加盟国の中で最初にEU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)およびEU・ベトナム投資保護協定(EVIPA)を批准しました。二国間貿易額は、2025年最初の9か月間で16億ドルに達しました。

投資面では、チェコは現在、主に加工・製造業や鉱業分野で41件の FDI プロジェクトをベトナムで展開しています。チェコが強みを持つ投資協力分野には、エネルギー、機関車、鉄道車両、バス、路面電車、農業機械、灌漑設備などがあります。特に注目されるのは、クアンニン省で進められている、シュコダ・オートとタインコン・グループの合弁による自動車製造プロジェクトで、投資総額は4億5,000万ドルに上ります。同プロジェクトは2025年4月に稼働を開始し、両国の経済的結びつきが着実に深化していることを象徴する取り組みとなっています。教育分野でも、チェコはこれまでに4,000人以上のベトナム人専門家を学士・修士課程で育成しており、数万人規模の高度な技術を持つ人材の養成にも貢献しています。

多分野にわたる強力な協力関係に加え、チェコに在住するベトナム人コミュニティも両国の絆を深める架け橋となっています。約10万人にのぼるベトナム人コミュニティは、団結を保ちつつ祖国を思い、現地社会に良好に溶け込み、チェコの発展と両国の友好関係の深化に貢献しています。

こうした長年にわたる揺るぎない基盤を踏まえ、ミロシュ・ヴィストゥルチル上院議長を公式訪問として迎えることは、ベトナムにとって大きな意義があります。今回の訪問は、独立・自主、多角化・多様化、そして主体的かつ総合的で効果的な国際社会への参画という、ベトナムの外交方針を改めて確認するものです。また、議会間協力が二国間関係の重要な柱であることを示すとともに、両国が連携を強化し、協力を推進し、ベトナムとチェコの関係をさらに高い次元へと発展させていくという共通の決意を裏付けています。

Back to top