今回の訪問は、両国が外交関係樹立75周年(1950年~2025年)を迎える中で行われました。また、ハンガリーのシュリョク・タマーシュ大統領が今年5月にベトナムを訪問してからわずか5か月後のことでもあります。
75年にわたる信頼と緊密な友好関係
ベトナムとハンガリーは、1950年2月3日に正式に外交関係を樹立し、2018年9月には両国関係を包括的パートナーシップへと格上げしました。
近年、両国の政治・外交関係は、相互の信頼と理解に基づき大きく発展しており、政党、政府、国会、地方行政区など、あらゆるレベルでの代表団の定期的な交流が行われています。
両国間の政治的信頼の高まりは、特に経済・貿易分野を中心とした他分野での協力拡大のための堅固な基盤となっています。ハンガリーはEU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)の批准を積極的に支援し、EU・ベトナム投資保護協定(EVIPA)を最初に承認したEU加盟国でもあります。
ハンガリーはベトナムにとって中東欧地域における有望な市場の一つである一方、ベトナムはアジアにおける重要なパートナーであり、東南アジアにおけるハンガリーの最大の貿易相手国となっています。2024年の二国間貿易額は9億ドルを超え、前年比7.3%の増加を記録しました。さらに、2025年の1月から9月までの9か月間で7億5,830万ドルに達しました。
文化、教育、スポーツ、観光、労働、科学技術、環境、農業、水管理などの従来からの協力分野も積極的に推進されています。両国は、国連やアジア欧州会合(ASEM)などの多国間フォーラムでも緊密に連携し、相互支援を行っています。
議会間協力の一層の強化
ベトナムとハンガリーの間で初めて議会間協力協定が締結されたのは2017年で、2022年に更新されました。この協定により、両国間の安定した法的・制度的枠組みが確立され、立法経験や監督手法、政策決定のアプローチを共有することが可能となりました。これにより、両国の議会間で相互理解と信頼が一層深まっています。
ベトナムとハンガリーの議会は、高官および委員会レベルでの交流を一層強化し、合同セミナーや政策対話を開催するとともに、制度改善、法治国家建設、持続可能な発展に関する経験を共有していくことを誓約しています。
両国はまた、列国議会同盟(IPU)やアジア・ヨーロッパ地域のフォーラムなど、多国間議会フォーラムでも緊密に連携し、主要な国際問題に対して両国の議会の声が反映されるよう努めるとともに、多国間の場で相互に支援し合い、ベトナムとハンガリー双方の国際的な地位向上に寄与しています。
議会外交を通じた包括的パートナーシップの深化
ベトナム駐ハンガリー大使のブイ・レ・タイ氏によりますと、今回の訪問は両国が二国間協力の成果を振り返り、政治、外交、経済、貿易、文化、教育から科学技術、議会間協力に至るまで、多岐にわたる分野での関係強化に向けた包括的な対策を話し合う貴重な機会となるということです。特に議会間協力は、両国関係の重要な柱であるといいます。
訪問期間中、両国の議会は立法、監督、政策立案の実務について深く議論し、地域・国際議会フォーラムでの連携強化、専門委員会や友好議員連盟間の交流促進にも努める見込みです。
また、2022年の議会間協力協定を含む協力合意の実施状況を確認し、世界情勢や国内状況の変化に対応した新たな方向性を定め、両国の発展優先事項と整合させる予定です。
この考えを共有する形で、ハンガリーベトナム駐大使のティボール・バロギ氏は、今回の公式訪問は議会外交を通じて両国関係をさらに高め、関連機関間の連携を強化するという両国の共通の決意を反映していると述べました。また、ハンガリーの議会はベトナムの議会との関係強化を非常に重視しており、両国間の政治関係における確固たる柱と位置づけているとも述べました。