ビン氏は、今回のベトナム指導者によるフィンランドへの最高レベルの訪問は、北欧諸国との長年にわたる友好関係と多面的な協力に対するベトナムの深い敬意を表すもので、政治、経済、外交の各分野で特別な意義を持つと述べました。2023年の外交関係樹立50周年を受けて行われるこの訪問は、持続可能なパートナーシップの節目となり、今後50年の協力の方向性を示すものとなるとの考えを示しました。
大使によりますと、今回の訪問は将来を見据えた分野での戦略的協力の基盤を築くものとなるということです。経済、貿易、投資、科学技術、イノベーション、教育、環境、クリーンエネルギーといった、フィンランドが強みを持ち、ベトナムが重点を置く分野での関係強化が議論の中心となります。
この訪問は、政治的信頼、人的交流、ビジネス連携を強化し、ベトナムの国際的地位の向上を示すものでもあります。両国が平和、持続可能な発展、多国間主義、ルールに基づく国際秩序へのコミットメントを再確認する機会にもなると、ビン氏は付け加えました。
主な注目点としては、フィンランドの指導者との会談や将来の優先事項を策定するための会合、そして新たな重点分野における実効的かつ持続可能な協力を推進するための重要な合意の署名が挙げられます。
政治・外交活動にとどまらず、ベトナムの指導者はフィンランドの主要企業の経営幹部と会談し、ベトナムと提携する経済・教育機関を訪問する予定です。これにより、経済、科学技術、教育、イノベーション分野での連携強化を目指すと大使は述べました。
文化交流も積極的に行われる予定で、ベトナム人コミュニティやフィンランドの関係者との面会を通じて、文化・人的外交の促進が図られます。さらに、人民芸術家ブイ・コン・ズイ氏とヘルシンキ・メトロポリタン管弦楽団によるコンサートも開催され、両国の文化的絆を祝う予定です。
ビン氏は、近年、政治対話、経済・教育・科学技術分野での協力拡大、活発な人的交流を通じて、二国間関係が大きく発展していると言及しました。定期的なハイレベルの訪問や交流も相互信頼と理解を深めており、今回の訪問は関係を新たな段階へと引き上げ、包括的かつ長期的な議題を設定するものと期待されています。
経済面では、二国間貿易が着実に成長を遂げています。ノキア、ヴァイサラ、ヴァルメット、コネといったフィンランドの大手企業がベトナムで強固な基盤を築き、デジタル変革、グリーン成長、イノベーションを牽引しています。ベトナムはフィンランドの東南アジアにおける最大の貿易相手国であり、フィンランドの貿易・投資政策におけるアジア4大重点市場の一つとしての地位を確立しています。
教育、科学、技術分野では、数千人のベトナム人学生が世界トップクラスの教育システムで知られるフィンランドの各種プログラムに参加しています。両国の大学や研究機関は、人工知能、クリーンエネルギー、イノベーションなどの分野で多数の共同研修・研究プログラムを展開しています。
フィンランドにおけるベトナム人コミュニティも現地社会に溶け込み、二国間の友好の重要な架け橋となっています。これは、フィンランド政府がベトナムを人材誘致における4つのパートナー国の一つに位置づけていることにも寄与しています。
こうした成果は、ベトナムとフィンランドが「持続可能な協力と共通の成長を目指す対等なパートナー」として新たな段階に入ったことを示しており、両国がよりグリーンでイノベーション主導の未来を目指すビジョンと合致していると大使は述べました。