ベトナムと日本 文化産業の発展で協力強化

持続可能な発展の戦略的な原動力とされる文化産業に関する国際シンポジウムが、10月17日に東京で開催されました。

日本ユネスコ協会連盟理事長の鈴木佑司氏(写真:VNA)
日本ユネスコ協会連盟理事長の鈴木佑司氏(写真:VNA)

ベトナムユネスコ協会連盟が主催した本イベントは、文化と創造性の分野における二国間協力をさらに強化する新たな節目となりました。ベトナムと日本の専門家は、文化産業が持続可能な成長の基盤であり、推進力でもあることの重要性が高まっていると強調しました。

イベントには、日本ユネスコ協会連盟理事長でありアジア太平洋ユネスコクラブ・協会連盟事務局長でもある鈴木佑司氏、ベトナムユネスコ協会連盟副理事長 兼「Ngay Nay(今日)」誌副編集長のグエン・レ・ハン氏、さらに研究者、企業経営者、日本在住のベトナム人コミュニティのメンバーらが参加しました。

挨拶の中でハン氏は、今回のイベントがベトナムと日本のユネスコ協会連盟間の継続的な協力関係を示すものであり、両国がユネスコの価値観の推進に尽力していることを強調しました。

また、ベトナムは文化を単なる目標としてだけでなく、国家発展の原動力として重視していると述べました。東京でのシンポジウムはこの視点を国際的に広げ、創造経済分野でのパートナーシップを促進するものだとハン氏は語りました。

さらにハン氏は、日本の先進的なクリエイティブ産業と、急速なデジタル変革を遂げているベトナムの豊かな文化遺産が相互補完的であることに触れ、両国間の協力は、文化の保存とイノベーションのバランスを取る上で大きな役割を果たすと述べました。

ベントで発言するベトナムユネスコ協会連盟副理事長 兼「Ngay Nay(今日)」誌副編集長のグエン・レ・ハン氏(写真:VNA)
ベントで発言するベトナムユネスコ協会連盟副理事長 兼「Ngay Nay(今日)」誌副編集長のグエン・レ・ハン氏(写真:VNA)

ベトナム通信社(VNA)のインタビューに対し鈴木氏は、文化を「生活様式」と捉え、社会的・地域的・宗教的背景によって形作られるものだと述べました。また、日本では小学校段階から文化教育を重視し、多様性への尊重を育むアプローチを取っていると強調しました。

鈴木氏はさらに、日本とベトナムの双方が持つ独自の文化的価値が、ユネスコによって人類共通の遺産として認められていることに言及しました。これらの異なりつつも相互に関連するアイデンティティへの理解を深めることが、相互理解と持続可能な文化発展の促進に不可欠だと述べました。

Van Show Arts JSCのグエン・フイ・クアン代表は、近年ベトナムの文化産業が大きく発展し、スケールの大きな作品が世界中の観客を魅了し、観光振興にも貢献していると語りました。

クアン氏は、両国のユネスコ協会との連携をさらに深め、創造的かつ文化的な交流を拡大したいとの期待を表明しました。

シンポジウムでは2つのテーマ別討論が行われ、アーティストや起業家、日本在住のベトナム人代表らが今後の協力に向けた知見や戦略を共有しました。

VNA
Back to top