ハノイ 再生可能エネルギーの開発を推進

ハノイ市は、再生可能エネルギーの導入を加速させており、都市の拡大する需要に応えるクリーンで環境に優しいエネルギー源の開発に貢献しています。これは、2021~2025年期の「国家省エネルギー・効率的エネルギー利用プログラム」に沿った取り組みの一環です。

ソックソン廃棄物発電所では、1日あたり5,000トンの廃棄物の焼却処理が可能である。(写真:H.ソン)
ソックソン廃棄物発電所では、1日あたり5,000トンの廃棄物の焼却処理が可能である。(写真:H.ソン)

ハノイ市人民委員会とハノイ・ティエンイー環境エネルギー株式会社は近年、ベトナム最大、世界で2番目の規模を誇るソックソン廃棄物発電所を稼働させました。

このプロジェクトの稼働は、首都の廃棄物処理の取り組みにおける大きな節目となるとともに、重要な再生可能エネルギー源の創出にもつながっています。

ソックソン発電所は、1日あたり5,000トンの廃棄物を処理し、毎時90メガワットの電力を発電します。市の指導者らは、この発電所が効率的な廃棄物処理を実現し、環境汚染を軽減するとともに、首都の数万世帯にクリーンな電力を供給することで、ハノイにおける循環型経済モデルの構築に貢献していると強調しています。

ハノイ市では、2025年5月1日にセラフィン廃棄物発電所が廃棄物の受け入れと処理を開始し、同年7月1日から商業用発電を開始しました。セラフィン発電所は、ベトナム企業が投資・運営する初の大規模廃棄物発電所であり、現在では東南アジアで2番目の規模を誇ります。1日あたり2,250トンの廃棄物を処理し、毎時約37メガワットのクリーン電力を生み出しています。

ハノイ市商工局によりますと、ソックソン発電所とセラフィン発電所の稼働により、2025年末までに市内の廃棄物発電による再生可能エネルギー供給能力はおよそ129.3メガワットに達する見込みだということです。

また、ハノイ市は廃棄物発電施設の建設と並行して、屋上太陽光発電システムの導入にも注力しています。

ハノイ市商工局によりますと、2024年末時点で市内の屋上太陽光発電の総設備容量は102.928メガワットピーク(MWp)に達しました。このうち、2021年1月1日以前に開発され、売電契約を締結しているシステムが33.569MWpを占めています。

2021年から2025年にかけては、タンロン工業団地の32企業、ノイバイ工業団地の3企業、クアンミンI工業団地の3企業、フーギア工業団地の1企業が、工場の屋上に太陽光発電システムを設置しました。

また、ハノイ市内では多くの企業や商業ビルが屋上太陽光発電の導入を先導しており、学校、病院、行政機関、さらには一般家庭でも、照明、空調、給水ポンプなどに太陽光エネルギーを活用する動きが広がっています。これにより、運営コストの削減や環境保護にも大きく貢献しています。

ハノイ市クアナム地区ファン・チュー・チン通り16番地にあるコーナーストーン・ビルでは、年間約420万キロワットアワーの電力を消費しており、月額ではおよそ10億ドン(約3万8,000ドル)に相当します。同ビルでは、2022年半ばから屋上に計250枚、総出力112.5キロワットの太陽光パネルを設置しました。

コーナーストーンビルの代表者は、このシステムの導入により月々の電気料金が大幅に削減されたほか、首都中心部で環境に優しいグリーンビルディングの実現を目指すという当社の強い姿勢を示すことができていると述べました。

ハノイ市は、こうした主要な再生可能エネルギーの開発と並行して、国家プログラムの枠組みの下、建築物や住宅におけるエネルギー効率の向上に向けた多様な施策も進めています。

2021年から2025年にかけて、ハノイ市商工局は関係機関と連携し、119の施設でエネルギー監査を実施したほか、9施設(高層マンション、オフィスタワー、複合施設、商業センター、ホテル、学校など)でエネルギー管理システムを整備しました。また、45の建築物に対し、国家基準に基づく省エネ評価ツールの導入支援を行い、建築物や建設プロジェクトにおけるエネルギー効率向上のために、およそ540件の省エネ対策を提案しました。

さらに同局は、電力使用者や一般家庭を対象に、省電力対策の導入や太陽熱温水器の設置支援、特に電力需要が集中するピーク時間帯の使用削減を促すためのコンサルティングも実施しています。

ハノイ市商工局のグエン・ディン・タン副局長は、再生可能エネルギー源の開発と効率的なエネルギー管理の推進により、ピーク時の電力負荷が軽減され、安全で安定した電力供給が確保されていると同時に、資源の有効活用を促進し、循環型経済と持続可能な発展に向けた取り組みを後押ししていると述べました。

Translated by NDO
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