首相 ベトナムと南アフリカの発展に向けたビジネス連携強化を呼びかけ

ファム・ミン・チン首相は、ベトナムと南アフリカの企業界に対し、投資を拡大し、連帯と協力、相互支援を強め、共通の成功と発展、そして幸福を実現していくよう呼びかけました。

ファム・ミン・チン首相は11月21日、ヨハネスブルグで開催されたベトナム・南アフリカビジネスフォーラムで挨拶した。(写真:VNA)
ファム・ミン・チン首相は11月21日、ヨハネスブルグで開催されたベトナム・南アフリカビジネスフォーラムで挨拶した。(写真:VNA)

ファム・ミン・チン首相は、11月21日にヨハネスブルグで開催された「ベトナム・南アフリカビジネスフォーラム」で演説し、両国の経済協力強化を呼びかけました。同フォーラムには南アフリカのポール・マシャティレ副大統領も出席しました。この活動は、チン首相のG20サミットおよび二国間活動のための南アフリカ訪問の一環として実施されました。

チン首相は、近年のハイレベルな相互訪問に象徴されるように、両国関係が大きく促進されていると強調しました。また、南アフリカ大統領との会談を予定しており、その場で両国関係を戦略的パートナーシップへ格上げすることを発表する予定であると明らかにしました。

両国が国の解放と自由への強い願いを共有し、共に闘ってきたことにより、極めて良好な政治関係が築かれていると強調し、迅速かつ持続可能な発展のために、両国が連携しない理由はないと述べました。

そして、強固な政治的基盤をふまえ、経済・貿易・投資分野でバランスの取れた具体的な協力成果を上げるべきだとの認識を示しました。

チン首相は、ベトナムの発展実績と今後の方向性について言及し、数多くの困難の中で二つの百年目標を追求していると説明しました。その過程で南アフリカから多くを学んできたとし、今後も両国が団結し、経済・貿易・投資協力をさらに推進することへの期待を表明しました。

同首相は、ベトナム企業に対し、南アフリカ国内需要や輸出向けに必要とされる米をはじめとする農産物の生産に投資するよう呼びかけました。また、再生可能エネルギーを含むエネルギー分野や物流分野への投資、南アフリカ産品の輸入拡大、そして二国間自由貿易協定の締結支援にも取り組むよう提案しました。

一方で、南アフリカには、イノベーション、グリーン経済、クリエイティブ経済、加工品など、ベトナムの新たな成長の原動力となる分野への投資を提案しました。

また、両国が持つ独自の潜在力、優れた機会、競争力、両国民の知性、緊密な協力メカニズムを最大限に活用し、自然資源を両国の発展に貢献する製品へと転換することを提案しました。

チン首相は、両国外務省が調整する政府間委員会の格上げを求めました。また、企業間で作業部会を設置し、天然資源をより高付加価値の製品へと転換する協力を強化すべきだと述べました。

フォーラムは、ファム・ミン・チン首相の南アフリカ訪問の一環として開催された。(写真:VNA)
フォーラムは、ファム・ミン・チン首相の南アフリカ訪問の一環として開催された。(写真:VNA)

フォーラムで発言したマシャティレ副大統領は、G20サミットの機会に合わせて南アフリカ・ベトナムビジネスフォーラムが開催されたことについて、包摂的な世界経済の構築に向け、パートナーシップと協力が果たす重要な役割を改めて示す、非常に意義深いものだと述べました。

また、同フォーラムは、シリル・ラマポーザ大統領によるベトナムへの国賓訪問の成功に続くものであり、両国関係に新たな章を開くものになったと強調しました。

近年、南アフリカはベトナムにとってアフリカ大陸最大の貿易相手国であり、ベトナムは1億人超の人口を有し、約7億人規模のASEAN市場への玄関口として、南アフリカにとって潜在力の高い市場であると述べました。また、同地域のGDPは4兆ドルに達すると強調しました。

一方、南アフリカはアフリカで最も産業化が進み、多様な経済を有する国であり、14億人超を結びつけるアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)への戦略的な入口としての役割を担っていると述べました。

マシャティレ副大統領は、「現状、南アフリカとベトナムの二国間貿易は着実に拡大し、ここ数年で過去最高を更新していることを喜ばしく思うが、依然として大きな未開拓の潜在力が残されている」と述べました。

同副大統領はさらに、両政府は貿易と投資にとって有利な環境づくりに取り組んでいくと強調しました。

南アフリカは、世界水準のインフラと優遇措置を備えた特別経済区へのベトナム企業の投資を奨励しており、同様に南アフリカ企業のベトナムの活気ある産業クラスターやテクノロジーハブへの投資、両国商工会議所間の協力強化も歓迎すると述べました。

副大統領は、南アフリカ政府は、ベトナム政府とともに、皆をあらゆる面で支援する用意があると強調し、ラマポーザ大統領の国賓訪問や今回のG20サミットの精神を追い風に、南アフリカとベトナムの関係を新たな高みに引き上げていくことを呼びかけました。

副大統領は、「二国間関係を強化する今後の合意は、双方が互いに友好関係を築きつつ、自国民にとっての利益も確保したいという思いを示すものだ。私たちは、途上国同士が相互尊重と共通の志を通じて、包摂的かつ持続可能な繁栄を実現できるという模範となるパートナーシップを築くことができる」と述べました。

外交関係樹立から30年以上が経ち、両国の協力・発展パートナーシップは経済・貿易協力を重要な柱として順調に発展しています。2024年の二国間貿易額は17億2,000万ドルに達しました。ベトナムの主な南アフリカ向け輸出品は、電子機器、携帯電話および部品、繊維・衣料品、履物、農産品などで、輸入品は果物、木材、鉱物、化学品などです。

2025年7月時点で、南アフリカはベトナムで有効な投資案件を20件保有し、投資総額は88万ドルでした。一方、ベトナムは南アフリカに4件、計886万ドルを投資しており、南アフリカはベトナム企業の海外投資先として84か国・地域中45位に位置しています。

フォーラムでは、両国の投資環境や経済・投資連携の最新情報が共有され、企業は鉱業、石油・ガス探査・開発、電力、農業、加工、製造など多様な分野での投資能力や関心について発表しました。また、今後の協力プロジェクト推進に向け、両政府の支援を求める声も上がりました。

チン首相とマシャティレ副大統領は、戦略的3Dレーダー技術の移転、ベトナムでの生産プロジェクト立ち上げ、戦略技術分野での研究開発協力、観光、航空輸送、貿易などの分野における両国企業間の協力文書交換の場に立ち会いました。

VNA
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