首相 G20サミット出席 成長に向けた3つの戦略的な柱を提案

ファム・ミン・チン首相は、11月22日に南アフリカ・ヨハネスブルグで開催されたG20サミットの開会式で演説を行い、包摂的かつ持続可能な成長を促進し、誰一人取り残さないための3つの戦略的な柱を提案しました。

ファム・ミン・チン首相がG20サミットの全体会合で演説した。(写真:VNA)
ファム・ミン・チン首相がG20サミットの全体会合で演説した。(写真:VNA)

まず、国際関係、世界政治、世界のマクロ経済における安定を開発の基盤として確保するため、チン首相は、G20が主導して相互尊重に基づく国際協力の枠組みを構築し、紛争解決に向けた方策を模索し、開発に適した環境を整えるべきだと提案しました。

首相はまた、G20が政策協調を進め、連鎖的な経済混乱のリスクの未然防止や危機対応を図り、貿易障壁の抑制とサプライチェーンの分断縮小を進め、さらに債務転換イニシアティブを推進して世界のマクロ経済安定を守るよう呼びかけました。

第二に、WTOを中心とするルールに基づいた多角的貿易体制と、科学技術や開発金融への平等なアクセスを備えた、均衡が取れ透明性が高い開かれた世界金融の枠組みを確保するため、G20が協力を強化し、科学技術や貿易の政治利用を回避し、公正かつ互恵的な貿易政策を通じて発展途上国を支援し、デジタルトランスフォーメーション能力を高め、WTOの包括的な改革を推進してその実効性を向上させることを提案しました。

第三に、柔軟で効果的なグローバルガバナンスを構築し、デジタル・グリーン転換時代の開発を後押しするエコシステムを整えるため、首相は、G20や多国間の枠組みの下で対話を強化し、経済・社会・環境の目標を調和させ、現在と将来の開発ニーズのバランスを取り、すべての国の利益を反映するガバナンス枠組みを形成する必要性を強調しました。また、人工知能、気候変動対応、防災、公衆衛生の分野で一層の協力を訴えました。

ベトナムの指導者は、世界がいま、地球規模かつ包括的で、人間に影響を及ぼす深刻かつ前例のない変化に直面していると指摘しました。このような状況下で、グローバルガバナンスは、平和と安定の維持、そして包摂的で総合的な発展の促進という核心的目標を追求すべきだと強調しました。

首相は、最も重要な原則は、国際法と規範に基づく平等と互恵の確保であり、連帯、協力、対話を重視して力を生み出し、具体的な利益をもたらし、信頼を強化することだと指摘しました。また、その基本姿勢は人間中心で、全国的・包括的・地球規模の視点を持ち、人類を中心に据えるものでなければならないと述べました。

チン首相は、ベトナムが平和で繁栄し、持続可能で、誰一人取り残されない世界の実現に向け、すべての国やG20、国際社会と積極的かつ平等・互恵の精神で協力する用意があると改めて表明しました。首相の発言は、多くの参加国から歓迎され、高い評価を受けました。

G20サミット全体会議の様子(写真:VNA)
G20サミット全体会議の様子(写真:VNA)

2日間にわたるサミットには、G20加盟国の首脳、招待国20か国、国際・地域機関21団体が参加しています。G20サミットがアフリカで開催されるのは今回が初めてで、南アフリカの議長国としての任期の締めくくりとなるとともに、これをもって全G20加盟国が議長国を務めたことになります。

初日の会議では、誰一人取り残さない持続可能かつ包摂的な経済発展と強靭な世界へのG20の貢献という2つの主要テーマについて議論が行われました。

各国首脳は、経済発展、貿易の役割、開発資金や債務管理、防災・気候変動対策、公正なエネルギー転換、食料安全保障などに関する主要な方向性について意見を交わし、大枠の方針で一致しました。

また、世界経済がマクロ経済の不均衡、保護主義の高まり、公的債務の増大、資金調達の制約など、リスクと不安定性に直面していることへの懸念を共有しました。これらの課題は、成長の鈍化や地政学的緊張の継続によってさらに深刻化し、世界的な発展努力の制約となっていると指摘されました。

このような状況下で、財政・金融・貿易政策の連携強化、マクロ経済の不均衡や格差の是正、市場の信頼感の向上、地域間連結性の深化、投資資源の動員拡大によるマクロ経済の安定維持と包摂的かつ持続可能な世界成長の支援が必要であると強調されました。

首脳らは、国際貿易が成長の原動力であり続けることを再確認し、多国間貿易体制の強化、WTO改革の推進、中小企業のグローバル・バリューチェーンへの統合支援に取り組む姿勢を示しました。

さらに、国際金融枠組みの一層の改革、債務の透明性と持続可能性の向上、G20債務処理共通枠組みなどの仕組みの実効性ある運用、多国間開発銀行の役割強化、インフラ、エネルギー転換、持続可能な開発に向けた資金動員の拡大の必要性を強調しました。

サミットでは、自然災害への強靭性強化と気候変動対応の緊急性も強調され、これらが人々の生活、経済活動、持続可能な開発努力にますます深刻な影響を及ぼしていることが指摘されました。

首脳らは、防災管理、早期警報システム、強靭なインフラ、水・食料・健康の安全保障分野での国際協力の強化、グリーンエネルギー転換や持続可能な農業への資源動員の拡大で合意しました。

VNA
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