グリーン投資の推進に向けて

2050年までにネットゼロを実現するというコミットメントの達成に向けた取り組みにおいて、グリーン投資を促進するための具体的な政策は、全体的な戦略と並んで極めて重要な役割を果たしています。大きな課題として、技術的要件やインフラ、調整メカニズム、人材に加え、グリーンプロジェクトには通常、非常に多額の資本が必要とされる点が挙げられます。

バクニン省ザービンで稼働する廃棄物発電プラント(写真:ナム・フォン)
バクニン省ザービンで稼働する廃棄物発電プラント(写真:ナム・フォン)

農業・環境戦略政策研究所(農業・環境省)によりますと、グリーン投資とは、環境および社会に測定可能なプラスの影響を生み出すプロジェクト、資産、活動に資本を配分することを指します。

グリーン投資の目的は、炭素排出量の削減、資源利用の最適化、生態系の保護であり、同時に国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成のための資金動員の原動力となることです。グリーン投資の主な対象分野は、再生可能エネルギー、グリーンインフラ、クリーン交通、スマート農業、廃棄物管理、安全な水などです。

排出削減や環境保護に加え、グリーン投資は投資家にとっての持続可能性、安定性、リスク低減も確保しなければなりません。

政府はグリーン投資を促進するため、数多くの重要な戦略や国家提案を打ち出しています。代表的なものには、低排出かつレジリエンス強化に向けた「グリーン成長戦略2021–2030(2050年ビジョン)」(決定1658/QD-TTg)、包括的な緩和・適応策を示す「国家気候変動戦略」(決定896/QD-TTg、2022年)、国内カーボンクレジット取引メカニズムを構築する「カーボン市場開発計画」(決定232/QD-TTg、2025年)、資源効率化と廃棄物削減を推進する「循環経済のパイロットスキームおよび国家行動計画」(決定687/QD-TTg、2022年)などです。

特に「グリーンタクソノミー」(決定21/2025/QD-TTg、2025年7月4日発効)は、グリーンプロジェクトの明確な分類を示し、ベトナムにおけるグリーン投資への資本流入を導く最も重要な法的指針と位置付けられています。

決定21/2025/QD-TTgでは、グリーンプロジェクトを次のように分類しています。エネルギー分野10件、交通分野3件、建設分野2件、水資源分野3件、農林水産・生物多様性保全分野12件、加工・製造分野6件、環境サービス分野9件です。

しかし、現時点での資本調達状況、緊急性、実施能力を踏まえると、優先分野はエネルギー、交通、農業となっています。

世界銀行は、ベトナムが2050年までにネットゼロを達成するために必要な措置を完全に実施するには、2040年までに約3,680億ドルが必要になると試算しています。

世界有数の戦略コンサルティング会社であるマッキンゼーの報告書「ベトナムがネットゼロを達成するためのロードマップ」は、地球規模の気候変動の影響と、炭素集約型産業がGDPに占める割合の高さという2つの大きなリスクについて警告しています。明確な優先順位と目標があるものの、膨大な投資需要と潜在的リスクはベトナム経済にとって依然として大きな課題だと指摘しています。

世界各国の経験から、循環経済は新たな成長モデルへの移行における中核的な柱であることが示されています。

2025年1月23日、首相は「循環経済に関する国家行動計画(2035年まで)」を承認する決定222/QD-TTgを発出しました。この計画の下、グリーンまたは移行中の分野は循環型生産サイクルへと移行し、製品価値の最大化と排出削減を目指します。

これを実現するためには、各分野が実需に基づく連携を形成し、クローズドループ型のサイクルを構築して、同一生産チェーン内の複数企業が関与するクラスター、ゾーン、地域間システムへと発展させる必要があります。

このモデルは、アメリカ、中国、日本、インド、EU、カナダなど、ネットゼロ達成をベトナムより早期に目指す多くの国々で採用されています。

グリーン投資政策の強化は、ベトナムにとって、世界の気候基金やESG投資家からの優遇資金の誘致、特に再生可能エネルギーやクリーン生産分野での技術近代化、グリーンかつ持続可能な雇用創出など、大きな機会をもたらします。

しかし、持続可能かつ効果的な資本流入を呼び込むには、グリーンプロジェクトの実施を監督する強固な法的枠組みの整備や、投資家向けインセンティブの改善が不可欠です。また、透明性・安定性・一貫性のある投資環境を確保し、行政的・法的障壁の撤廃も重要となります。

Back to top