カーマウ省 メコンデルタ地域の活力ある成長拠点を目指す

2025~2030年任期のカーマウ省党委員会第1回党大会を前に、ニャンザン(人民)新聞のグエン・フー・トゥン記者が、省党委員会書記グエン・ホー・ハイ氏にインタビューを行いました。

カマウ省党委員会書記のグエン・ホー・ハイ氏(右から5人目)は、ソンドック村のホンチュオイ島に駐留する将兵に贈り物を手渡した。(写真:camau.gov.vn)
カマウ省党委員会書記のグエン・ホー・ハイ氏(右から5人目)は、ソンドック村のホンチュオイ島に駐留する将兵に贈り物を手渡した。(写真:camau.gov.vn)

インタビューの中でハイ書記は、カーマウ省の戦略的ビジョン、困難を乗り越える指導部の決意、そして歴史的な機会をつかもうとする強い意欲を語りました。こうした取り組みにより、カーマウ省をメコンデルタ地域、さらには国家全体の活力ある成長拠点として飛躍させることを目指しています。

Q: カーマウ省では現在、複数の国家重点プロジェクトが進行しており、新たな発展の好機を迎えています。これらのプロジェクトが将来的に省にもたらす可能性と影響を、どのように評価されていますか。

A: カーマウ省の党委員会、行政当局、武装部隊、そして省民は、今まさに着手されている一連の戦略的プロジェクトに大きな期待と喜びを抱いています。これらの事業は、省の発展に強力な推進力をもたらすものです。旧カーマウ市からダットムイへ至る高速道路、ダットムイとホンコアイ港間を結ぶ道路、ホンコアイ港の建設、そしてカーマウ空港の拡張などが、新たな成長の道を切り開いています。

これらは、まさに重要なインフラ整備の飛躍と位置づけています。高速道路が完成すれば、カーマウはメコンデルタ各省と緊密に結ばれ、南部主要経済圏への移動時間が大幅に短縮されます。また、特に高品質な農水産品を中心とした物流の円滑化が進むでしょう。

空港の拡張は、貿易と観光の重要な架け橋となります。一方、ホンコアイの軍民両用港は、戦略的なテコとして機能し、カーマウを国際貿易の玄関口へと押し上げ、輸出拡大と経済統合の深化を促進するとともに、地域の国防・安全保障の強化にも寄与します。

省は積極的な指導力と強い政治的決意のもと、これらのプロジェクトを加速させ、その効果を最大限に引き出すため、あらゆる資源を動員しています。補償や用地確保も迅速に進んでおり、住民の理解と支持を得ています。

さらに、以前行われたカーマウ省とバクリエウ省の統合により、開発の空間が拡大し、新たなカーマウには国内外からの大規模投資を呼び込む独自の可能性が生まれました。こうした環境のもと、省は地域のサプライチェーンにおいて重要な役割を担う位置に立っています。

Q: カーマウ省はこれまで「国の最南端」として知られてきましたが、一部では"出発点"、国のパイオニアだと位置づけるべきだとの意見もあります。この点について、どのようにお考えですか。

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カマウ省党委員会書記、グエン・ホー・ハイ氏(写真:camau.gov.vn)

A: これは非常に戦略的で的を射た見方だと考えています。これまでカーマウは本土の先端に位置することから「国の最南端」と認識されてきましたが、この意識を転換する必要があります。

カーマウは三方を海に囲まれており、東海やタイ湾に面して国際貿易の軸線上に位置するという独自の利点を持っています。したがって、海上交易の出発点であり、国際交流の重要な玄関口でもあります。

カーマウ省を「終点」として捉えるのではなく、「始まり」として受け止め、メコンデルタおよび全国の新たな発展の出発点とすべきです。

トー・ラム書記長がカーマウを訪問された際には、"最南端にある先端の省"と新たな視点から評価されました。また、ファン・ヴァン・ザン国防大臣も主要事業の起工式で、カーマウの前線的な位置づけを強調されました。

こうした"国の最南端にして出発点"という新たなビジョンは、党委員会のメンバーや住民の間にしっかりと浸透しています。カーマウはもはや終着点ではなく、ベトナムの海洋経済発展戦略を先導する開かれた玄関口として位置づけられています。

Q: カーマウ省が「先駆的拠点」としてのビジョンを実現するために、主要事業と連動して海洋経済の潜在力を引き出すための長期戦略には、どのようなものがありますか。

A: カーマウ省は、310キロメートルを超える海岸線、12万平方キロメートルを超える排他的経済水域、そして豊かな海洋・マングローブ生態系を有しており、総合的な海洋経済を発展させるのに理想的な条件を備えています。これこそが、長期的発展に向けた戦略的資源です。こうした潜在力を最大限に引き出すため、省は5つの主要な発展の柱を定めています。

第一に、海洋経済の発展です。カーマウ省は、水産物の採捕・養殖から加工・輸出に至るまで、水産業の近代化を進め、地域の活力ある中心地となることを目指しています。ベトナムにおけるエビの一大産地としての地位を維持し、カーマウ産エビのブランドを確立して付加価値と国際競争力を高めてまいります。

第二に、クリーンエネルギーおよび再生可能エネルギーの発展です。風力や太陽光といった自然資源を最大限に活用し、カーマウ省を国内有数のクリーンエネルギー拠点とするとともに、持続可能で環境に優しい経済基盤の構築を進めてまいります。

"国の最南端にして出発点"という新たなビジョンは、党委員会のメンバーや住民の間にしっかりと浸透している。カーマウはもはや終着点ではなく、ベトナムの海洋経済発展戦略を先導する開かれた玄関口として位置づけられている。

第三に、統合的インフラの整備です。
省は関係機関との緊密な連携のもと、南北東部高速道路、沿岸道路、そして海洋経済圏と内陸地域を結ぶ交通ネットワークの整備を積極的に進めています。これにより、投資誘致の促進、開発空間の拡大、そして産業・経済地域を結ぶインフラ基盤の強化を図ってまいります。

第四に、人材育成と観光の強化です。
インフラの近代化が進むなか、カーマウ省の観光産業は飛躍的な発展の段階を迎えています。同時に、水産業、港湾物流、再生可能エネルギー、観光サービスなどの重点分野において、熟練した労働力の育成を最優先に進め、新たな発展段階の需要に応えてまいります。

第五に、国防・安全保障・主権の維持です。海洋経済の発展は、海上における国家主権の擁護と密接に結びつけて進めていきます。水産物流の強化、海洋資源の持続的な管理を推進するとともに、経済成長を社会の安定、安全、そして気候変動への強靭性向上と一体的に進めてまいります。

これらの戦略的な方向性はすべて、海洋経済の強みを基盤とした、持続的かつ急成長する省としてのカーマウの構築という一つの目標をめざして進められています。この取り組みは、ベトナムの海洋経済戦略の推進に大きく貢献するとともに、カーマウ省がメコンデルタ地域、さらには国家全体の活力ある成長の中核拠点としての役割を確立することにつながるでしょう。

ご協力ありがとうございました。

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