任期の歩みとその成果
団結と連帯、向上心、文化的価値、人材という伝統を受け継ぎ、数々の困難と試練を乗り越えてきたクアンチ省は、2020〜2025年任期において、各分野で顕著かつ際立った成果を上げるために指導と運営に力を注いできました。省は引き続き、住民や企業、幹部、党員からの信頼を維持しつつ、協力と発展を促す平和的で友好的かつ安定した国境環境を維持しています。
政治、思想、倫理の面での党づくりを最優先課題とし、任期を通じて一貫して総合的に実施しました。特に、政治体制の整理・再編をはじめとする組織・人事の取り組みを果断に進めました。
新たな指導方針と運営手法のもと、省政府は効果的に機能し、経済・文化・社会の各分野で顕著な進展を遂げました。クアンチ省は社会経済目標をおおむね達成し、合併後には経済規模を拡大しました。期間中の省の歳入総額は59.3兆ドンを超え、開発投資のための重要な財源となりました。2021〜2025年の域内総生産(GRDP)の年平均成長率は6.8%に達し、1人当たりGRDPは7,900万ドンを超えて2020年の1.6倍となりました。
この期間には、エネルギー、交通、物流などの大規模プロジェクトが相次いで始動し、省の姿を大きく変えるとともに、次の任期に向けた確かな基盤を築きました。再生可能エネルギーやクリーンエネルギー事業の急速な拡大により、クアンチ省は地域および国内のエネルギー拠点としての地位を着実に高めています。
インフラ整備も大きく進展し、整合性と近代性を備えた方向へと発展しています。経済構造は、エネルギー、加工、サービス、観光といったけん引産業が力強く成長し、着実に高度化が進みました。農業分野でも、新農村づくりと連動したハイテク化・グリーン生産への転換が進められています。
文化産業、観光、デジタル経済、グリーン経済、ヘリテージ経済などの分野で新たな成長エンジンが確立され、その効果が着実に表れています。観光分野では大きな前進を遂げ、クアンチ省の観光ブランドは国内外で着実に知名度を高めています。
クアンビン省とクアンチ省の合併により、洞窟探検、海浜レジャー、エコツーリズム、歴史・平和観光、精神文化観光など、多様な形態を包括する広大な連携空間が生まれました。これにより、観光が省経済をけん引する重要な産業であることが改めて示されています。
省は、教育改革や人材育成、公衆衛生の向上に取り組むとともに、社会保障政策を着実に実施し、特に革命功労者への支援に力を入れてきました。また、貧困削減プログラムの効果的な実施にも重点を置いています。
中でも注目すべき取り組みの一つが、仮設住宅や老朽住宅の解消を目的とした住宅支援の取り組みです。強い決意のもとで進められ、これまでに約1万5,000戸が完成し、貧困世帯や政策支援対象世帯の生活安定と持続的な生計確立に大きく寄与しています。
国防・安全保障面では、政治的安定と社会秩序を維持しています。対外関係も拡大し、ラオスの各省や他の国際的なパートナーとの協力が強化され、クアンチ省は国際化のプロセスにおける信頼できる目的地としての地位を高めています。
これらの成果は、志と決意に満ちた省の活力を示すものであり、揺るぎない意志、社会的な合意、そして政治体制と住民全体の総力を結集した努力の結晶です。こうした実績が、クアンチ省がより広いビジョンと強い決意をもって新たな発展段階へと進むための確固たる基盤となっています。
未来を形作るための団結
クアンチ省は今、新たな好機と将来への展望を前にしています。総面積約1万2700平方キロメートルで、国内でも上位10位に入る広さを誇ります。191キロに及ぶ海岸線には7つの美しい河口があり、ラオスとの国境線は409キロにわたります。さらに、2つの空港、3つの港湾、3つの国際国境ゲート、4つの経済区を有し、道路、鉄道、海運、空路を含む交通網も発達しています。こうした地理的・交通的優位性は、主要産業の発展、地域連携の拡大、国際化の促進に大きな可能性をもたらしています。また、省当局は透明性の高い投資環境の整備に努め、常に企業と歩調を合わせて支援を行っています。
党の指導方針と戦略的な見解を深く理解し、第14回党全国大会に提出される文書の精神を創造的に具体化するとともに、国の実情と地域の特性を踏まえ、再編後初となるクアンチ省党委員会大会は、省の発展に向けた基本方針を示しました。党の強化は依然として最重要課題であり、社会経済の発展は「エネルギー」「物流」「観光」「グリーン農業」という4つの戦略的柱を軸に、環境にやさしく、持続的・包括的かつ統合的な方向で推進されます。文化と人づくりを基盤とし、防衛・安全保障・国際協力の強化を引き続き重要な任務と位置づけています。クアンチ省は、全国民の強固な団結力を結集し、省民の自立心と発展への志を呼び覚まし、それを内発的な力と発展の原動力へと昇華させることを目指しています。
クアンチ省は2030年までに、活力に満ちた自立的な経済を持つ省へと発展し、都市経済、海洋経済、国境貿易、デジタル経済、そしてハイテク農業経済を効果的に融合させることを目指しています。北中部地域の中でも高い競争力を備え、東西経済回廊における主要な貿易・物流拠点として、新たな成長の拠点となることを目標としています。
目標達成のため、クアンチ省党委員会は5つの重点課題、3つの戦略的突破口、4つの主要な解決策グループの効果的な実施に注力しています。なかでも最優先事項として、党の強化と是正を進め、清廉で強固な政治体制を確立するとともに、効率的かつ効果的に住民に奉仕する、合理的で現代的な二層構造の地方行政体制の整備を進めています。
観光を先導的な経済分野として発展させ、国内および地域の観光地図における有力なブランドとしての地位を確立します。農業分野では、気候変動への適応と持続可能な新農村づくりを両立させたグリーンで循環型の農業を加速させます。さらに、科学技術とイノベーションの促進、社会全体のデジタル変革の推進に力を入れ、教育・人材育成や医療、文化・人づくりの質を高めるとともに、経済・社会インフラの近代化と整備の一体的な推進を進めていきます。
クアンチ省は、あらゆる経済分野の効率化を図り、投資環境を大幅に改善するとともに、国内外からの資金や資源を積極的に呼び込みます。エネルギー産業、ハイテク産業、デジタル経済、物流を成長の原動力と位置づけ、ホンラー経済区および南東部クアンチ経済区と連携した成長拠点を形成します。また、2つの深海港、2つの空港、国境検問所、および縦横に走る交通ネットワークの優位性を最大限に生かし、開発空間の拡大と地域間・国際的な連携の強化を進めていきます。
経済成長と並行して、クアンチ省は国防と安全保障の強化、政治的安定と社会秩序の維持を極めて重視しています。国家の安全を確実に守るため、安全保障分野での国際協力も一層推進していく方針です。
新しい任期にあたり、クアンチ省は三つの戦略的な突破口を掲げています。第一に、近代的で総合的な社会経済インフラを整備し、投資環境を大幅に改善すること。第二に、重要経済プロジェクトを誘致・円滑に実施し、クアンチ省を中部地域におけるクリーンエネルギー、観光、新サービスの中心地として発展させること。第三に、あらゆる分野で科学技術、イノベーション、デジタルトランスフォーメーションを促進することです。また、省は人材の質、特に幹部職員の能力向上にも力を入れ、迅速かつ持続可能な発展の要請に応えることを目指しています。
現在、クアンチ省はベトナム中部の新たな成長の拠点として自らを形作る重要な転換期を迎えています。戦略的なビジョンのもと、省党委員会、行政、そして住民の結束力を結集し、クアンチ省は力強い飛躍を遂げ、活力と創造性、持続可能性を備えた全国的な発展の模範地域として飛躍することを展望しています。
これは単なる経済・社会発展の目標にとどまらず、党と国民の信頼と期待に応える、豊かで文明的な故郷を築くという真摯な願いでもあります。