少数民族地域の発展に向け、より多くの資源と機会を

少数民族地域の社会経済発展は、党と国家の発展方針における深い人道的価値を体現する重要な課題の一つです。この観点から、ドンナイ省は引き続き、生活に不可欠なインフラの整備や住民の所得向上に向けて、資源を優先的に投入していきます。

ドンナイ省ティエンフン社に住むタイ族のホアン・ティ・コイさんは、政策融資を活用してヤギの飼育やコショウ畑の管理、さらにハチミツ採取のための養蜂を行い、年間で約1億5,000万ドンの収入を得ている。
ドンナイ省ティエンフン社に住むタイ族のホアン・ティ・コイさんは、政策融資を活用してヤギの飼育やコショウ畑の管理、さらにハチミツ採取のための養蜂を行い、年間で約1億5,000万ドンの収入を得ている。

ドンナイ省には、40万人を超える少数民族の住民が暮らしており、その多くは山間部や国境地帯に居住しています。

生活水準の向上を図るため、ドンナイ省は複数の資金源を優先的に活用し、少数民族が多く住む地域の社会経済発展を目的とした国家プログラムと連携させています。2021年から2025年にかけて、省は力強く、かつ総合的な一連の施策を展開し、農村の景観が一新され、住民の生活が大きく改善されるなど、顕著な成果を上げています。

この期間中、中央および省の予算から総額1兆1,570億ドンが、社会経済の発展と生活水準の向上に充てられています。2025年7月末時点で7625億ドンが執行され、計画の67%に達しました。特に、インフラ整備向け投資資金の執行率は73.9%に達しており、住民の生活に直結する公共の施設や事業の整備に重点を置いていることを示しています。このような成果は、政策の実効性を測る重要な指標とされる資金執行の進捗においても明確に表れており、政治システム全体による大きな努力の結果といえます。

中央からの資金に加え、ドンナイ省は社会資本の最大限の動員にも取り組んでいます。省の「貧困者支援基金」は、2023年から2025年にかけて220億ドン以上を拠出し、少数民族の貧困世帯向けに新しい住宅を建設しました。また、政策信用資金も迅速に180億ドン以上を融資し、数千世帯の少数民族住民が生産活動や畜産業、職業転換に投資できるよう支援しています。

ドンナイ省ロッククアン社(コミューン)ヴェーヴァン集落の住民、ティ・リエンさんも、こうした政策支援を受けて持続的に貧困から脱した一人です。彼女の家族は、政策基金から住宅や井戸、繁殖用の牛の支援を受けました。

リエンさんは「以前は農地もなく、安定した仕事もなかったので、とても貧しい生活をしていました。しかし、家族の実情に応じて国家から支援を受け、夫婦で努力を重ねた結果、生活が大きく改善しました。今では子どもたちもきちんと学校に通うことができ、本当に感謝しています」と語りました。

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政策融資の活用により、ドンナイ省タンティエン社のルウ・ティ・トゥ・タオさんの果樹園は高い生産性を実現している。

また、政策融資の恩恵を受けたロッククアン社ソックズン集落のダオ・ティ・ヴィンさんは、コショウ農園を拡大し、家計の安定を実現しました。

ヴィンさんは、「2021年に思い切って3年間で5,000万ドンを借りました。この資金でコショウ園が順調に発展し、初めての収穫も得られました。現在は木もよく育っており、家計も安定しています。2024年にはさらに500本のコショウの支柱を増やすため、1億ドンの追加融資を受けることができました」と話します。

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生産拡大のための政策融資を受け取り、喜びの表情を見せるドンナイ省ロッククアン社の住民

2021年から2024年にかけて、ドンナイ省では少数民族世帯の貧困削減が著しく進み、4,100世帯以上が貧困から脱却しました。これは、国の目標である1,662世帯を大きく上回る成果です。少数民族住民の一人当たり平均所得も、2020年の年間2,800万〜3,000万ドンから、2024年には4,200万ドンを超える水準へと上昇しました。

少数民族や山間地域では、目覚ましい変化が見られます。すべての社(コミューン)で中心部に通じる道路がアスファルトまたはコンクリートで舗装され、すべての村で舗装道路が整備されました。学校の81%が堅固な校舎となり、保健所の86%が国家基準を達成しています(2025年末までに全施設の達成を見込んでいます)。また、99.7%の世帯が国家電力網に接続されました。こうした取り組みにより、少数民族住民の物質的・精神的な生活水準が着実に向上し、多くの家庭が貧困から脱し、経済的に安定した生活を営むようになっています。その中には地域の模範となる家庭も増えています。

さらに、ドンナイ省は教育分野への重点的な投資を進めています。教育はより明るい未来への「黄金の鍵」とされており、少数民族の若者にとって将来を切り開く原動力となっています。その結果、5歳児の就園率は99.5%、就学年齢の児童・生徒の小学校就学率は99%以上、中学校就学率も98%に達しています。民族寄宿学校も高い効果を上げており、少数民族の若者を育成する人材の「ゆりかご」として重要な役割を果たしています。

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ドンナイ省ティエンフン社に住むタイ族のホアン・ティ・コイさんは、政策融資を活用して養蜂業を営んでいる。

2026年から2030年にかけて、ドンナイ省は総額6兆6,000億ドン超(うち、公的投資4兆5,300億ドン、経常支出2兆7000億ドン以上)を動員する計画です。住宅や安全な水の確保、生活基盤となるインフラ整備などの根本的な課題への対応に加え、教育、医療、文化、地域観光の発展にも重点を置きます。とりわけ、人口の少ない少数民族グループや国境地域に居住する住民への支援を強化する方針です。

また、ドンナイ省党委員会第1回党大会(2025~2030年期)の決議によりますと、省は引き続き教育の発展を優先課題とし、人材の質の向上に取り組み、学校の80%が国家基準を満たすことを目指しています。特に教育分野では、国境地域にある8つの社の学校の新設や改修を重点的に進め、都市部と比べて生徒や教員が不利な状況に置かれることのないよう環境を整備していくとしています。

ドンナイ省党委員会副書記であり、省ベトナム祖国戦線委員会主席を務めるフイン・ティ・ハン氏は、国境地域の学校の建設や改修は重要な政治任務であり、社会経済発展の不可欠な要素でもあると述べました。ハン氏は、国境地域の住民の知的水準を高め、人材を育成し、生活水準を向上させることは、政治システム全体と社会全体が共有すべき責任であり、それにより、国防と安全保障の強化にもつながると強調しました。

また、ドンナイ省党委員会は、各部局に対し、特別な政策の検討・提案を指示しています。さらに、技術基準や空間要件を満たした標準的な学校モデルの設計を進めるとともに、教育施設の効率的な運営を確保し、無駄を防ぐよう求めています。

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