ハノイで開催されたベトナム監察部門伝統の日(1945年11月23日~2025年)の80周年記念式典で、トー・ラム書記長は、ベトナムが新たな発展段階に入り、強く、豊かで幸福な国家、そして2045年までに先進的な高所得国を目指す中で、監察の役割がこれまで以上に重要かつ包括的になっていると強調しました。
書記長は、監察はもはや不正を摘発するための手段にとどまらず、透明性を促進し、イノベーションを推進し、社会の安定と国民の信頼を守る制度であると述べました。健全な統治体制には強固な監督メカニズムが不可欠であり、監察部門はその柱であると指摘しました。
こうしたビジョンの下、書記長は、監察業務を国家発展目標と結び付け、すべての活動の中心に国民を据えつつ、部門全体での包括的改革と強力な近代化を進めるよう呼びかけました。最終的な目標は、国民に真に奉仕する効率的で廉潔な行政の構築だと述べました。
トー・ラム書記長は監察部門に対し、党の指導方針を深く理解し、党および社会主義法治国家の建設・是正に取り組む必要があることを強調したうえで、重要な方向性と優先事項を提案しました。
最も重要なのは、発想と手法の大きな転換であると述べ、監察は違反の摘発・処分にとどまらず、未然防止や価値創出、発展の促進へと軸足を移さなければならないと指摘しました。
書記長は、すべての監察は二つの目的を果たす必要があるとし、公的資産を守るために不正を早期に発見すること、そして同時に、機関、企業、国民が直面する課題の解決を後押しすることが求められると述べました。
また、監察は常に一歩先を行き、リスクの早期予測と警告を行い、小さな違反が大きな問題に発展するのを未然に防ぐ必要があると強調しました。
監察業務の核心は「違反処理」から「早期からの未然防止」へと転換し、行政監察とテーマ別の専門監察を組み合わせ、現場での点検とデジタルデータ分析を融合する必要があると指摘しました。
すべての監察活動は客観的、公正かつ透明でなければならず、「禁域なし、例外なし、極端主義や形式主義も排する」という方針を徹底するよう強調しました。
監察の結果は実務の見直しや課題の抽出、政策・法律の改善提案に活用し、国家管理における法的な「抜け穴」や「すき間」を是正することにつなげるべきだと述べました。
書記長は、部門全体で近代化、技術導入、デジタルトランスフォーメーションを強力に推進するよう呼びかけました。これには、国民の申立て・告発処理や公務員の資産・所得管理のための国家データベースの構築・運用が含まれ、監察、申立て処理、監督を完全にデジタル環境で実施し、透明性・迅速性・効率性・費用対効果を高めることを目指すとしています。
書記長は、汚職や浪費、不正の防止と対処の要請に応えるため、監察業務に対する党の指導を一段と強める必要があると促しました。
書記長は、廉潔で勇気があり、知性と能力を備えた監察幹部の育成が不可欠だと強調しました。監察幹部は「清廉な心、揺るぎない精神、磨かれた専門性、正しい行動」を備え、正義を守り、不正と闘い、公共の利益のために責任を果たす勇気が求められると述べました。
最後に、部門が関連機関と緊密に連携し、一体的かつ効果的な運営を確保するよう促しました。そして全員の総力を結集することで、監察部門がその輝かしい伝統を継承し、清廉で法治的、発展を促進する国家の構築に大きく貢献し続けることへの期待を表明しました。