ベトナム 2026年のGDP成長率10%以上を目指す

ファム・ミン・チン首相は、10月20日にハノイで開幕した第15期国会第10回会期の冒頭演説の中で、複雑かつ予測困難な国際情勢の中で、ベトナムはほぼすべての分野において顕著かつ包括的な進展を遂げ、新たな時代への弾みをつけるとともに、国民の党と国家に対する強い信頼を確固たるものにしていると述べました。

ファム・ミン・チン首相が2025年の社会経済発展計画および2021~2025年の5カ年計画の実施状況に関する報告を行い、さらに2026年の社会経済発展計画の概要を示した。(写真:ズイ・リン)
ファム・ミン・チン首相が2025年の社会経済発展計画および2021~2025年の5カ年計画の実施状況に関する報告を行い、さらに2026年の社会経済発展計画の概要を示した。(写真:ズイ・リン)

ファム・ミン・チン首相は2025年の社会経済発展計画および2021~2025年の5カ年計画の実施状況、さらに2026年の計画案について報告を行いました。

国会で演説したファム・ミン・チン首相は、新型コロナウイルスの深刻な影響を含む複雑かつ予測困難な国際情勢や、国内の困難が機会を上回る中でも、ベトナムは強い決意と大きな努力、そして断固たる行動によって、26の主要な社会経済指標のうち22を達成または上回り、さらに2つの指標もほぼ達成、社会福祉関連の目標はすべて上回ったと明らかにしました。また、2024年と2025年の両年においても、15の主要な社会経済目標をすべて達成または上回る見通しだと述べました。

ベトナム経済は高い回復力を示し、堅調な成長を維持しています。2025年のGDP成長率は8%超と見込まれており、2021年から2025年の平均年間成長率は6.3%で、前期を上回っています。経済規模は2020年の3,460億ドルから2025年には5,100億ドルに拡大し、世界ランキングは5位上昇して32位となりました。2025年の一人当たりGDPは5,000ドルと推計され、2020年の1.4倍にあたり、ベトナムは上位中所得国の仲間入りを果たす見込みです。

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党および国家の指導者、元指導者らが第15期国会第10回会期の開会式に出席した。(写真:ズイ・リン)

マクロ経済の安定が維持され、インフレ率は4%以下に抑えられています。国家予算の歳入は9,600兆ドンと見込まれ、目標を大きく上回りました。社会全体の投資資本はGDPの約33.2%に達し、外国直接投資(FDI)は1,850億ドルに達しており、ベトナムは世界で最も多くのFDIを誘致する開発途上国トップ15にランクインしています。貿易規模も堅調に拡大し、過去最高の9,000億ドルを記録し、貿易黒字は883億ドルに達しました。

3つの戦略的突破口は断固かつ効果的に実行されました。立法活動は全面的に刷新され、国会で180本以上の法律・条例・決議が可決され、820本の政令が発行されるという、単一任期としては過去最多の成果を挙げました。科学技術・イノベーション・デジタルトランスフォーメーションも好結果を達成し、全ての行政区にブロードバンド光ファイバーインフラが整備され、ベトナムのモバイルインターネット速度は世界トップ20にランクインしています。

文化、社会、教育、医療分野および社会福祉も大きく改善されました。多次元貧困率は2021年の4.4%から2025年には1.3%にに減少しました。仮設住宅の解消目標は予定より5年4カ月早く達成され、33万4,000戸以上が完成しました。健康保険加入率は95.2%に達し、労働者の平均月収は550万ドンから830万ドンへと増加しました。

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ファム・ミン・チン首相が報告を行う。(写真:トゥイ・グエン)

政府は組織の合理化と統合を進めるとともに、二層制の地方行政モデルを分権化・権限移譲の取り組みと連携して実施しました。行政部門の公務員数は14万5,000人削減され、毎年の歳出も390兆ドン削減されました。地方行政区の運営はより標準化され、行政管理から市民中心のガバナンスおよび開発支援へと移行しています。

外交と国際統合は際立った成果を上げ、ベトナムの国際的地位と威信を高めました。ベトナムは2026~2028年の国連人権理事会の理事国に再選し、国連安全保障理事会の常任理事国5か国およびG20加盟国17か国を含む38カ国と包括的・戦略的または包括的戦略的パートナーシップを築いています。

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会議に出席する国会議員ら。(写真:トゥイ・グエン)

ファム・ミン・チン首相は、2026年の全体目標として、成長促進、マクロ経済の安定維持、インフレ抑制、主要経済バランスの確保を掲げました。政府は戦略的自立性の強化、開発モデルの刷新、工業化・現代化・都市化の加速に注力する方針です。

15の重要目標が設定されており、その中にはGDP成長率10%以上、一人当たりGDPが5,400~5,500ドル、消費者物価指数(CPI)が約4.5%上昇、労働生産性が約8%増加、多次元貧困率が1~1.5%低下することが含まれています。

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ファム・ミン・チン首相が報告を行う。(写真:ズイ・リン)

これらの目標を達成するため、政府は戦略的インフラへの投資を優先します。具体的には、ラオカイ―ハノイ―ハイフォン鉄道、南北高速鉄道、ロンタン国際空港の第2期工事、ハノイとホーチミン市の主要スポーツセンター、そして国際中継港などが含まれます。

同時に、デジタル経済、グリーン経済、循環型経済、半導体産業、人工知能(AI)の発展を加速し、デジタル政府・デジタル社会・デジタル市民の構築、半導体チップ生産工場の設立、ホーチミン市とダナンでの国際金融センター設立を推進します。

人材育成は政府の最重要課題です。英語を第二言語として普及させるとともに、学校でのAI教育を導入し、短期間で10万人の半導体・AIエンジニアを育成することを目指しています。

社会福祉、貧困削減、環境保護、気候変動対策も引き続き重点分野とし、同時に国防、安全保障、社会秩序の強化に努めます。また、第14回党大会、第16期国会選挙、2027年のAPECベトナム開催に向けた準備も進めていきます。

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会議に出席する国会議員ら。(写真:トゥイ・グエン)

首相は、過去の任期は揺るぎない意志、確固たる決意、創造的知性の歩みであり、信念と志、国と国民のために困難を乗り越える精神に満ちた時代であったと強調しました。

NDO
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