ベトナム首相 IUU漁業根絶に向けより強力で断固たる対策を指示

ファム・ミン・チン首相は、IUU漁業(違法・無報告・無規制漁業)対策が国民の利益、水産業の持続的発展、そして国家の利益に直結するものであると強調しました。その上で、すべての国民と公務員が責任を持ち、効果的に行動しなければならないと述べました。

ファム・ミン・チン首相が違法・無報告・無規制漁業対策国家指導委員会の第18回会議を主宰した。(写真:VNA)
ファム・ミン・チン首相が違法・無報告・無規制漁業対策国家指導委員会の第18回会議を主宰した。(写真:VNA)

ファム・ミン・チン首相は10月21日、違法・無報告・無規制(IUU)漁業対策国家指導委員会の第18回会合を主宰し、各省庁および地方当局の最近の取り組みを評価する一方で、IUU違反を完全に根絶するため、より強力で断固とした行動を取るよう求めました。

このオンライン会議は、21の沿岸省および中央直轄都市をつないで開催されるもので、IUU漁業対策の取り組みを強化するため、毎週火曜日に定期的に開催されています。

10月14日に開かれた第17回会合で、首相はIUU漁業の根絶に向け、関係省庁・機関および地方当局に対して21項目の緊急課題を指示しました。これまでに8項目が完了しており、その中には、IUU漁業撲滅に向けた重点月間の実施計画と首相通達の発出、港湾通告に関する指針の作成、水産分野での行政処分規定の改正、欧州委員会への最新報告の提出、広報活動の強化、そして漁民の生計転換支援プログラムの策定などが含まれています。

現在、輸入水産物の検査、船舶監視システム(VMS)に関する専門研修、データ管理・監督の規定策定、トレーサビリティの向上、国際協力の拡大など、11の課題が進行中です。一方で、まだ完了していない課題が2項目あり、そのうちの1つはマレーシアへの作業代表団の派遣による協力強化、もう1つは重点地域における包括的な点検の実施です。

第18回会合では、指導委員会が各課題の進捗状況を確認し、特に船舶管理、監視、法執行でにおいて遅れが見られる省庁や地方の取り組み状況を精査しました。

レ・クアン・ダオ中将(ベトナム人民軍総参謀副参謀長)が会合で発言した(写真:VNA)
レ・クアン・ダオ中将(ベトナム人民軍総参謀副参謀長)が会合で発言した(写真:VNA)

チン首相は総括で、委員会が一貫した報告と毎週の会合を維持していることを評価しつつも、依然として目に見える大きな成果には至っていないと指摘しました。

首相は、IUU漁業対策は、国民の利益、水産業の持続的発展、そして国家の利益に直結するものであると強調しました。すべての国民と公務員が責任を持って、効果的に行動しなければならないと訴えました。

首相は、委員会の常設機関および政府事務局に対し、IUU対策の成果に関する週次報告をまとめ、政治システム内の組織および個人、特に指導者の取り組み状況を評価し、順位付けするよう求めました。

また、各省庁・機関・地方当局の長は、違反の再発や欧州委員会の「イエローカード」解除の進捗が遅い場合、政府および首相に対して直接責任を負うことになると強調しました。

首相は、農業・環境省が政府事務局と連携し、各省庁・地方からの報告を集約し、欧州委員会に最新の進捗状況を報告するよう指示しました。

チン首相は、漁船の許可手続きや漁船監視システムの設置において一定の進展が見られると評価する一方で、依然として数千隻の無許可・未登録船が存在し、漁獲物の追跡管理システムも未整備であると厳しく指摘しました。首相は、各省庁および地方当局に対し、漁船および港湾の許可手続きを早急に完了させ、漁船監視システムの完全接続を確保し、漁業データおよび追跡記録の整備を1週間以内に完了するよう命じました。

政府指導者は、党と国家の最終目標は国家の独立・主権・領土保全の確保と、国民の豊かで平和な生活の実現であると改めて強調しました。その上で、法令違反は国家の信頼性と水産業の長期的な持続可能性を損なうものであり、いかなる違反行為に対しても厳正に対処しなければならないと述べました。

首相は、農業・環境省に対し、IUU基準を満たす港湾の暫定基準を来週中に発出すること、関係省庁と連携して欧州委員会の第5回査察に備えて技術的証拠を準備すること、報道機関やベトナム水産物輸出・生産者協会(VASEP)と協力し、IUU漁業対策および欧州委員会のイエローカード解除に向けたベトナムの取り組みを広く発信することを指示しました。

首相は複数の省庁に具体的な任務を割り当てるとともに、沿岸省・都市に対し、10月30日までにIUU基準を満たす港湾を公表し、漁船監視システムの切断や越境操業を含む全ての違反を10月31日までに解消するよう求めました。

また、報道機関に対しては、責任ある漁業に関する国民および国際社会の理解を深める情報発信を強化するよう呼びかけ、企業や業界団体には、IUU漁業による製品の流通を拒否し、法令遵守に取り組む事業者を積極的に評価、支援するよう促しました。

さらに首相は、各省庁および地方当局に対し、漁民の生計転換や職業訓練を支援するプログラムの策定を要請しました。

VNA
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