公安省によりますと、2023年11月28日に開かれた第15期国会第6会期で、「基層の治安・秩序維持に参加する部隊に関する法律」が可決され、2024年7月1日に施行されました。これを受け、首相は2024年2月14日に実施計画を承認する首相決定第176号(QD-TTg)を公布し、公安省と地方が速やかに実施に取り組んでいます。
9月15日時点で、全国で8万6,000を超える基層治安・秩序維持部隊が設立され、27万6,000人以上の隊員が政治理論や法律、専門技能などの研修を受け、執務場所や装備、活動経費も提供されています。
1年の取り組みを経て、この部隊は、治安状況の把握、「全民国家安全保障運動」の推進、消防・救助活動、社会秩序に関する行政管理、地域に居住する違反者の教育、治安維持や交通安全確保のための巡回および動員時の警備任務という、計6つの重要任務でコミューン(社)レベルの警察を支援してきました。一定の困難があったものの、部隊は大きな成果を上げ、犯罪件数は前年より8%以上減少しました。多くの争いごとが早期に把握され、調停によって深刻化が防がれ、交通事故も減少し、社会問題の抑止にもつながりました。「全民国家安全保障運動」も一層強化されています。
基層治安・秩序維持部隊は、人民公安部隊を「支える腕」として定着し、地方の党委員会や行政当局にとって頼れる存在となるとともに、地域住民との重要な橋渡し役として、各地の平和と安全の確保に貢献しています。
チン首相は、優れた団体や個人を表彰し表彰状を授与したうえで、治安と社会の安全の確保は、党と国家が常に最重要課題として位置づけているものであると強調しました。
首相は、基層治安・秩序維持部隊の設立によって、従来の各部隊間で生じていた重複が解消され、指揮系統と連携が一元化されることで、治安上の問題を早期に把握し、対応する能力が高まったと述べました。
また、これまでの成果を踏まえ、この部隊の設立は党と国家の的確な方針であると強調しました。部隊は発足後速やかに効果を発揮し、基層に密着して住民とともに行動し、困難も喜びも分かち合いながら任務にあたってきたと述べました。
一方で、管理体制、法律知識、専門技能、福利厚生、装備、インフラなどに依然として改善すべき課題があると指摘しました。
今後の課題について首相は、社会経済情勢の変化に伴い、治安と社会秩序の確保には新たな問題が生じていると指摘しました。そのため、予防措置は基層から始め、潜在的な脅威を早期に発見し、主体的かつ的確に対処する必要があると述べました。
さらに首相は、部隊の役割に対する理解を一層深めるよう促し、治安と秩序の維持は「人民のための、人民による、人民の事業」であり、住民に最も近く、住民を最も理解しているのが基層部隊であると強調しました。部隊は内部の結束を保ち、治安上の懸念が生じる地域の発生を防ぎ、党と国家に対する国民の信頼を高め、安定と社会経済発展に貢献していかなければならないと求めました。
首相は、広報活動を一層強化するとともに、法的枠組みの整備や施設・装備の充実、財源の確保に努めるよう求めました。とくに、遠隔地や困難地域への支援を重視する必要があると指摘しました。また、専門性と実効性を高めるため、定期的な研修や能力向上の取り組みを継続すべきだと述べました。
首相は、公安省に対し、これまでの実施状況を総括したうえで、基層部隊の活動効果を高めるための政府指示文書を提案するとともに、長期的な発展に向けた総合的な計画を策定するよう求めました。
また、各級の党委員会と行政当局に対し、この部隊を支援し、その処遇に配慮するとともに、困難を共有しながら、治安・社会秩序・安全の維持に協力し、麻薬や犯罪のない、健全で清廉な地域づくりを進めるよう呼びかけました。
チン首相は、部隊に対して引き続き献身的に職務を果たし、「人民のため、国家のため」という精神で全力で住民に奉仕するよう促しました。また、地方当局との緊密な連携を保ち、常に警戒心を持って新たな事案に迅速に対処し、犯罪や薬物、事故のない地域、すなわち真の平和と安全の砦を築くことに寄与してほしいと激励しました。