ベトナムと中国の両共産党 社会主義建設の経験を共有

ベトナム共産党と中国共産党による第20回理論セミナーが、11月12日に北部のニンビン省で「21世紀における社会主義の道と実践」をテーマに開催されました。

セミナーに出席したベトナムと中国の代表団(写真:VNA)
セミナーに出席したベトナムと中国の代表団(写真:VNA)

ホーチミン国家政治学院院長で、党中央理論評議会議長を務める政治局員グエン・スアン・タン氏が率いるベトナム共産党代表団と、政治局員で党中央書記処書記、党中央宣伝部長を務める李書磊(リー・シューレイ)氏が率いる中国共産党代表団が出席しました。セミナーには、両国の省庁、中央機関、地方行政機関の代表者のほか、科学者、専門家、研究者、駐ベトナム・中国大使も参加しました。

また、ベトナム共産党中央委員会のトー・ラム書記長と、中国共産党中央委員会総書記・国家主席の習近平氏が、セミナーに祝辞を寄せました。

両指導者は書簡の中で、両党間の最高レベルの理論交流メカニズムが果たす重要な役割を強調しました。これは、各国の実情に即してマルクス・レーニン主義を守り、適用し、創造的に発展させるうえでの戦略的な見通しと強い結び付き、そして共有する責任を示すものであり、同時に両党・両国間の高い政治的信頼を体現するものだと述べました。

トー・ラム書記長は、今年のセミナーが持つ特別な意義を高く評価し、新時代の発展段階における社会主義への道に関わる理論・実践両面の課題について、両党が深く幅広い意見交換を行う重要な機会であると述べました。書記長は、ベトナム共産党が一貫してマルクス・レーニン主義とホー・チ・ミン思想を創造的に適用・発展させてきたこと、実践経験の総括や理論研究を重視し、理論的思考の刷新と成長モデルの刷新を結び付けてきたことを強調しました。

また、党は、豊かな国民と強く、民主的で、公正かつ文明的な国家を目指し、国際社会への参画と密接に結びついた独立・自立経済の構築を目標としていると強調しました。

書記長はさらに、ベトナム共産党が中国共産党とともに、理論分野での協力をさらに深化させ、党建設、国家発展、社会ガバナンスに関する経験を共有する用意があると述べました。これにより、グローバル化や第4次産業革命の進展という状況の中で、社会主義理論の発展を促し、両国民の利益につなげるとともに、世界の社会主義のより明るい未来に寄与していきたいと強調しました。

一方、習近平総書記・国家主席は、中国とベトナムは「良き隣人、良き友人、良き同志、良きパートナー」であり、戦略的意義を持つ共通の未来を共有する共同体を形成していると強調しました。国家主席は、両党による深い理論交流が、各国の実情に適した社会主義的現代化の道を探求し、世界における社会主義の発展を後押しするとともに、両党・両国の友好関係に新たな章を書き加えていくものであると述べました。

会合で発言したグエン・スアン・タン氏は、ベトナムのドイモイ(刷新)政策と中国の改革開放が顕著な成果を収めてきたことに触れ、21世紀における社会主義モデルの正当性を示すものだと強調しました。

同氏は、ベトナム共産党の指導の下で構築されているベトナムの社会主義モデルについて説明し、それが「社会主義志向の市場経済」「社会主義法治国家」「社会主義的民主主義」の三本柱から成り立っていると述べました。

さらに、新たな段階における社会主義への道筋を支える開発構造として「三層から成る開発構造」を挙げました。すなわち、科学技術、イノベーション、デジタルトランスフォーメーションを原動力とする新たな経済成長モデルの確立、ベトナムの新たな開発モデルの形成と完成、そしてドイモイの実践を総括した上で21世紀のベトナムの社会主義モデルを完成させることだと説明しました。

一方、李氏は、新時代における中国の特色ある社会主義の構築を通じて得られた理論面と実践面の核心的な課題について説明しました。

両氏は、21世紀における社会主義建設で理論・実践両面の交流を強化することの重要性を確認しました。そのうえで、急速に変化し複雑化する国際情勢や科学技術の爆発的な進展を踏まえ、党の指導方式での突破口の模索、科学技術・イノベーション・デジタルトランスフォーメーション分野での協力強化、そして各国の文化的価値を東洋の価値観や人類共通の普遍的価値と結び付ける取り組みを進める必要があると指摘しました。

ベトナム共産党と中国共産党による第20回理論セミナーで開催された写真展を見学する両国代表団(写真:VNA)
ベトナム共産党と中国共産党による第20回理論セミナーで開催された写真展を見学する両国代表団(写真:VNA)

同日、タン氏と李氏は、和やかな雰囲気の中で会見を行いました。タン氏は、中国が第20期中国共産党中央委員会第4回全体会議(四中全会)を成功裏に開催し、第15次5カ年計画の策定方針を採択するなどの成果に祝意を示しました。また、ベトナムが常に中国との関係を重視し、最優先に位置付けていることを改めて強調しました。

李氏は、中国共産党は、ベトナム共産党が第14回全国党大会を成功裏に開催し、ベトナムの新たな発展期を切り開くことを確信し支持していると述べました。また、中国が近隣外交において、ベトナムとの関係発展を常に優先していると強調しました。

双方は、近年のベトナム・中国関係の前向きな発展を高く評価し、両党および理論研究機関間の交流と協力をさらに強化するための主要な方向性や施策について踏み込んだ議論を行い、両国関係の健全で安定した持続可能な発展に寄与していく考えを示しました。

会談後、両国の関係者は、両党間の理論セミナー枠組み20周年を記念した書籍・写真展示を視察しました。

VNA
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