キャッシュレス決済 堅調に拡大

2025年1月から9月にかけて、キャッシュレス決済の取引は引き続き好調な伸びを示しました。これと並行して、政府の「プロジェクト06」の実施により、統一されたデータ基盤が構築され、国民と企業の双方にとって、より安全で便利、かつ透明性の高いデジタルサービスの発展が促進されています。

キャッシュレス決済は、経済活動や日常生活の中でますます身近になっている。
キャッシュレス決済は、経済活動や日常生活の中でますます身近になっている。

ベトナム国家銀行によりますと、2025年1月から9月にかけて、キャッシュレス決済の取引件数は前年同期比で43.32%増、取引金額は24.23%増となり、電子決済の利用が一段と広がり、定着しつつあることが示されました。

特に、インターネット経由の取引は件数で51.2%、金額で37.17%増加し、携帯電話を通じた取引も件数で37.37%、金額で21.79%増加しました。なかでもQRコードを利用した取引は件数で61.63%、金額で150.67%と大幅に増加し、日常生活の中で利便性の高い決済手段が広く浸透していることを如実に示しています。一方で、ATMによる取引は件数で16.77%、金額で5.74%減少しており、現金中心の利用習慣がより現代的な決済手段に移行しつつあることがうかがえます。

国内の決済インフラシステムは、引き続き安定的かつ安全で効率的に運用されています。銀行間電子決済システムを通じた取引額は46.87%増加し、金融スイッチング・電子清算システムの取引件数も19.14%増加しました。これまでに53の機関が決済仲介サービスの提供を認可され、そのうち49機関が電子ウォレットサービスを展開しており、決済サービス市場の多様化に貢献しています。

モバイルマネーの仕組みは、金融サービスの利用拡大の促進において引き続き効果を発揮しています。2025年9月末時点で、全国のモバイルマネー口座数は1,089万件を超え、そのうち約70%が農村部、山間部、島しょ地域の利用者によるものです。 取引件数は2億9,040万件を超え、取引総額は約8兆5,110億ドンに達しました。これにより、銀行口座を持たない遠隔地の多くの人々が、現代的な金融サービスにアクセスできるようになっています。

ベトナム国家銀行は、信用機関に対し、デジタルトランスフォーメーションを加速させるとともに、他の産業や分野と連携して、利用者中心のアプローチによるデジタルサービスのエコシステムを拡大するよう促しています。すでに多くの銀行が、人工知能(AI)やビッグデータ、機械学習を導入し、利用者の行動分析や評価を行うことで、商品やサービスのパーソナライズ化、業務プロセスの最適化、業務運営の自動化を進めています。

現在、ほとんどの基本的な銀行業務がデジタル化されており、約95%の取引がデジタルチャネルを通じて行われています。デジタル決済のエコシステムは、銀行と電気、水道、通信、医療、教育、電子商取引、観光などの主要な公共サービス、さらに国家公共サービスポータル上のオンライン行政サービスを密接に結びつけています。これにより、国民は銀行アプリや身近なデジタルプラットフォームを通じて、支払い、買い物、チケット予約、手数料や税金の納付、さらには社会保障給付の受け取りまで、さまざまな取引を直接行うことができるようになりました。

NDO
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