11月3日にハノイで行われた「2025年秋の見本市」閉会式で発言したファム・ミン・チン首相は、同見本市が新時代におけるベトナムの活力、イノベーション、そして国際社会への積極的な参画を象徴する明確な証しだと述べました。また、生産と消費の結びつきを強め、国内外のサプライチェーンを強化し、輸出市場の拡大に引き続き努めるよう呼びかけました。
このイベントは10月25日から11月4日まで、ハノイ市ドンアインの国家展示センターで開催され、ベトナム国内外から2,500を超える団体・企業が参加しました。参加国には日本、韓国、中国、シンガポール、ニュージーランド、EU諸国などが含まれます。3,000以上のブースで、製造業、科学技術、イノベーション、文化産業、電子商取引、農産加工など多岐にわたる製品が紹介されました。
同見本市には1日平均10万人が来場し、2,000件を超えるビジネスマッチングが行われたほか、総額約5兆ドン(約1億9,000万ドル)に上る取引や覚書が締結されました。また、セミナーやフォーラム、フェスティバル、文化公演など30以上の関連イベントが開催され、地域ブランドのPRや協力関係の強化、そしてベトナムの創造力の発信に寄与しました。
 チン首相は、「人と生産・ビジネスをつなぐ」をテーマとした今回の見本市について、人こそが経済成長の原動力であり、最終的な恩恵を受ける主体であるという理念を明確に示したものだと強調しました。同見本市は、単なる商業イベントではなく、全国各地の地域や製品、人々を結びつける「イノベーションと文化の祭典」へと発展したと述べました。
さらに首相は、今回の見本市の成功が、ベトナム市場が急成長を遂げているだけでなく、安全で友好的、投資家にとって魅力的であることを実証したと指摘しました。また、この見本市は国民の団結力、創造性、そして持続可能な発展への強い志を象徴するものだと述べました。
閉会式では、主催委員会が優れた出展者30組を表彰するとともに、中部および北部山岳地帯での台風や洪水被害を受けた人々を支援する募金活動の成果を発表しました。
見本市の開幕時に始まった支援キャンペーン「希望の秋―愛を分かち合う」には、これまでに全国から3,160億ドンの寄付金が寄せられています。
チン首相は、今回の見本市をベトナムと世界をつなぐ経済・文化イベントとして成功に導いた各省庁、地方行政機関、企業、そして国際的なパートナーの貢献に謝意を表しました。
今後について首相は、商工省に対し秋の見本市を毎年恒例の枠組みとして確立するとともに、来年初開催となる春の見本市の具体的な開催計画を早急に策定するよう指示しました。また、次回の春の見本市では、イノベーションやグリーン成長、デジタルトランスフォーメーションの推進をさらに進め、企業や地方がそれぞれの強みを発信できる機会を広げるべきだと述べました。
また、首相は企業に対し、社会的責任を果たし、自然災害の被災地支援や、ベトナム製品やブランドの国際的な評価の向上に努めるよう呼びかけました。