同銀行はまた、2026年のベトナムの成長率予測も6.2%から7.2%へと引き上げました。
最新のマクロ経済報告書の中で、スタンダードチャータード銀行は、堅調な貿易実績と多数の自由貿易協定(FTA)を通じた国際経済への参画の推進により、ベトナムが世界のサプライチェーンにおいて存在感を高めていると指摘しました。
2025年9月の輸出総額は427億ドルに達し、前年同月比24.7%増となりました。主な成長分野は、電子・コンピューター(+66.2%)、電話機(+17.5%)、機械類(+11.6%)などです。
輸入も24.9%増の398億ドルとなり、電子・コンピューター(+43.6%)、機械類(+33.6%)がけん引しました。これは生産および産業能力の拡大が続いていることを示しています。
同行は、堅調な貿易と安定した為替見通しに支えられ、ベトナムの対外経済基盤が引き続き強固であると指摘しました。年初にドル高の影響で減少していた外貨準備は、マクロ経済の安定化と良好な貿易実績を背景に再び積み上がる見通しです。
国内の信用成長も加速しており、政策金利の引き下げがなくても経済回復が続いていることを示しています。信用成長率は現在、前年同月比15%を超えており、企業の信頼感の向上と資金需要の増加がうかがえます。貸出の伸びも堅調で、良好な流動性環境と政府の景気刺激策がこれを支えています。
外国直接投資(FDI)は引き続き成長の主要な原動力となっています。2025年1月から9月までのFDI実行額は8.5%増の188億ドル、認可額は15.2%増の285億ドルとなりました。
スタンダードチャータード銀行のエコノミストは、投資と事業拡大を支える緩和的な環境のもと、2025年および2026年のリファイナンス金利は4.5%に据え置かれると予測しています。
スタンダードチャータード銀行のベトナム・タイ担当上級エコノミスト、ティム・リラハパン氏は、「ベトナムの強靭性と適応力は、力強いFDI誘致と堅調な輸出成長に表れており、世界的なサプライチェーン多様化における戦略的役割を確固たるものにしている。今後も経済拡大の強い見通しが示されている」と述べました。
同行は、米ドル/ベトナムドン(USD/VND)の為替レート見通しを2025年に1ドル=26,300ドン、2026年に26,750ドンと据え置きました。一方で、2025年のインフレ率見通しを3.4%、2026年を3.7%に引き下げ、予想を上回る成長の勢いと物価上昇圧力の緩和を反映させました。