ベトナム首相 カントー市の課題解決を指示

ファム・ミン・チン首相は10月19日、カントー市を訪問し、行政手続きの実務運用および二層制地方行政システムの運営状況を視察しました。また、長年建設が中断されている新カントー腫瘍病院や、市内の社会住宅の建設現場も訪問しました。

カントー腫瘍病院で治療を受けている患者を見舞うファム・ミン・チン首相(写真:VNA)
カントー腫瘍病院で治療を受けている患者を見舞うファム・ミン・チン首相(写真:VNA)

行政区画の再編により、カントー市には現在103の町と村があります。二層の地方行政システムは円滑に機能しており、公共行政サービスセンターも効率的に運営されています。これにより、市民や企業に便利な行政サービスが提供されています。

フンフー区の公共行政サービスセンターを視察したファム・ミン・チン首相は、職員配置、市民の行政手続きニーズへの対応能力、直面している課題や障害、技術インフラの整備現状について質問しました。

首相は、カントー市全体、特にフンフー区に対し、土地、事業、産業、人口に関するデータベースを正確かつ十分に、そして相互に連携できるよう整備するよう求めました。

首相はさらに、デジタル政府の構築の必要性を強調し、デジタルインフラの整備とともに、デジタル人材、さらには「デジタル市民」の育成が不可欠であると指摘しました。そのため、デジタルリテラシー向上のために、デジタルリテラシーキャンペーンや地域を基盤としたデジタル技術グループなどのプログラムや取り組みを通じて、国民のデジタル能力を高めることが不可欠だと強調しました。

カイザン区の南カントー新都市エリアにある社会住宅プロジェクト「ナムロン2」を視察した際、首相はカントー市の社会住宅プロジェクト推進に対する努力と献身を高く評価しました。

首相は、投資家のプロジェクト期間短縮への意欲を歓迎するとともに、建設品質の向上が必要であると強調しました。また、教育、医療、文化、スポーツ施設などの充実した共用インフラを備えた、商業住宅と同等の社会住宅プロジェクトの継続的な推進を求め、すべての住民が平等に利用できる環境の整備を促しました。

首相は、社会住宅の適切な地方政策を策定するために、総合的な規定の検討を引き続き行うことを市に求めました。また、土地利用計画を作成し、ナムロングループやその他の有力な企業に対して、国会および政府が発表した新たな仕組みや政策のもとで社会住宅プロジェクトを継続して実施するよう指示しました。これらの取り組みは、労働者や低所得者、公務員など、行政区画再編に伴い移転を余儀なくされた人々の住宅ニーズにより適切に応えることを目的としています。

同日正午、チン首相はカントー腫瘍病院を訪問しました。同病院は現在、市内およびメコンデルタ地域全体からの患者で過密状態となっています。

首相は、病院施設の老朽化、手狭な空間、特にコバルト放射線治療装置の不足など設備の不足を指摘し、財務省に対し、カントー市および病院と連携し、追加で2台の装置の調達手続きを早急に完了するよう要請しました。政府としても、同市の医療提供能力向上を支援し、より良い医療サービスを市民に提供できるようにすると明言しました。

これに先立ち、首相は新カントー腫瘍病院の建設現場を視察しました。同プロジェクトは500床の収容能力を持ち、総投資額は1兆7,000億ドン(6,450万米ドル)を超えます。このうち、約5,700万ユーロ(1兆3,900億ドン超、全体の80.66%)はハンガリー政府のODA融資によるもので、残りは市の予算から拠出されます。

プロジェクトは2017年に着工し、当初は2022年の完成を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響や、プロジェクトのODA融資契約の期限切れなど複数の客観的要因により、2022年7月に建設が中断されました。市は、プロジェクト継続のため政府に財政支援を要請しています。

チン首相は、カントー市に対し、特にODAローン資金の使用に関して、前プロジェクトの正式な終了決定を発行すること、監査結果に基づく違反事項の整理と処理、すでに調達済みの資産・施設・設備の点検と棚卸しを実施すること、そして同時に新規プロジェクトとして再開する決定を出すよう求めました。また、2026年11月30日までの完成を厳守し、市民の医療ニーズに迅速に応えるよう強調しました。

VNA
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