ハノイ市では、省エネルギー・効率的エネルギー利用に関するプログラムを実施し、国家のエネルギー安全保障の確保と安定化、温室効果ガス排出量の削減を図っています。2026年から2030年の期間において、より具体的な成果を上げることを目指しています。
具体的には、2030年までにエネルギー総消費量を8〜10%削減し、送電損失率を4%未満に抑えるほか、エネルギー分野における温室効果ガス排出量を、現状維持シナリオと比較して15%削減することを目標としています。
ハノイ市は毎年、産業、商業・サービス、建設、管理・消費、農林水産といった各分野で、電力の総消費量を少なくとも2.2%削減することを目指しています。さらに、工業団地や工業集積地、農村部の工業施設、伝統的な手工芸村にあるすべての企業が、省エネルギー対策や効率的なエネルギー利用の取り組みにアクセスし、実践できるようにする方針です。
また、2030年までに、輸送分野の燃料消費量を需要予測値と比べて5%削減することを見込んでいます。さらに、約330の施設や建築物が、環境に優しくエネルギー効率の高い取り組みを導入しているものとして認定される予定です。加えて、毎年少なくとも2〜3件の建築物が、国レベルのグリーン建築および省エネルギー建築の認証を受ける見通しです。
さらにハノイ市は、工業施設や建設分野の技術者およびエネルギー管理者およそ5,000人を対象に、研修や指導を実施する計画です。また、250〜300人のエネルギー管理者に対しては、専門的な訓練と資格認定を行う予定です。
これらの目標を達成するため、ハノイ市工業貿易局は、省エネルギー分野における制度や政策の見直し、整備、改善を継続して進めるとともに、車両の生産・製造・改修・転換、機械、生産ライン、建築物、公共照明、交通、家庭などに対して、技術的・財政的支援を提供していくとしています。
同時に、市は省エネルギーおよび効率的なエネルギー利用に関する科学研究や技術開発を強化し、この分野での国際協力も推進していく方針です。
とりわけ重要なのは、エネルギー利用に関する法令の実施状況について、点検・監督・指導・評価を強化するとともに、市民の意識向上に向けた取り組みを継続して進めていくことです。