被災者を支える思いやりの行動
中部各省で深刻な洪水が発生したとの知らせを受け、タイグエン省ドンヒーコミューンのダオ・キム・クオンさんは、友人たちにも呼びかけ、一晩かけて車を走らせて、フエ市の住民を支援するためにモーターボート3隻を届けました。
クオンさんのグループは到着後、フオンフォン、タイバー市場、フーハウ卸売市場などの孤立地域で活動し、必需品を届けるとともに、浸水が深刻な地域からおよそ20人の住民を避難させました。
「わずか半月前、タイグエンが歴史的な洪水に見舞われた際、中部地域や全国の人々が私たちを支えてくれました。今度はフエが水没しているのですから、私たちも黙って見ているわけにはいきません」とクオンさんは語りました。
 自らも洪水の被害を受けながら、クアンチ省の多くの住民がフエへの支援に力を尽くし、思いやりの心を行動で示しています。
ナムドンハー地区のブイ・ティ・キム・フォンさん一家は、自発的に炊き出しを行い、フエ市内の病院や住宅地、学生寮などに無料の弁当を5,000食以上届けました。フォンさんは、「この小さな行動が、被災された方々の負担を少しでも和らげる助けになることを願っています」と話しています。
全国各地からも、慈善団体や個人がダナンの被災地に数千点の必需品や数万食の食事を届けました。クアンガイ省トーフォンコミューンフォンニエンハー村では、女性たちが400箱以上の魚の干物を用意し、被災地へ送りました。
「干物は保存が利き、洪水の中でも手軽に食べられる食事になります」と、トーフォン村婦人連合会のグエン・ティ・ロイ会長は説明しています。
思いやりの輪が広がる地域社会の連帯
中部各省で洪水被害が深刻化するなか、地域社会は困難に立ち向かうために心を一つにしています。
ダナンでは7万6,000世帯以上が被災し、39の地区と村が深刻な浸水や孤立状態にあります。10人以上が死亡または行方不明となり、国道14B、14D、14E、14H、14G、24C、40Bなど主要な交通路も冠水により通行不能となっています。
こうした厳しい状況の中でも、ダナン市民の連帯と寛大な精神が発揮されています。多くの団体や個人が協力し、取り残された住民を支援するための大規模な救援活動が展開されています。
ダナン市ディエンバンドン地区のレ・ティ・アインさんと友人たちは、停電や断水が続く中、緊急の食料支援としてスポンジケーキやパンを400個以上、豚肉の煮込みを詰めた箱を200箱、バナナを300本以上用意しました。
 ホイアンタイ地区のブイ・クイ・フォンさんは、被災地に200食の麺料理、80食のチキンライス、50個の中華まん、そしてミネラルウォーター6箱を届けました。
「私たちも皆、洪水で苦しんでいますが、、少しでも連帯の気持ちを伝えたくて、このささやかな支援を届けました」とフォンさんは話します。
慈善団体はダナン市警察の青年団と協力し、トゥオンドゥック、ヴーザー、クエロック、クエフオック、ズイスエン、ダイロック、ハーニャー、ディエンバンドンなどの村や地区に7,000を超える救援物資を届けました。それぞれの支援パッケージには、ケーキやミルク、水など、孤立した地域で暮らす人々に必要な生活必需品が詰められています。
これらの取り組みは、被災者への重要な支援となるだけでなく、国民の団結精神を強化し、あらゆる困難を乗り越えるための確かな礎となっている。
フエ市では4万4,500戸以上の住宅が浸水し、8人が死亡または行方不明となっています。こうした困難な状況の中でも、多くの善意ある人々が迅速に支援の手を差し伸べています。
フエ市チュオンアンのグエン・ティ・トゥイ・ホンさんと女性グループは、深刻な浸水地域やトゥイスアン、フオンアン地区の医療施設におよそ1万3,000食の食事を届けました。
「この善意の食事は、地域社会の思いやりを感じさせてくれます。早く洪水が収まり、日常が戻ることを願っています」と、トゥイスアン地区の被災者チャン・トゥ・トゥイさんは話しました。
地方の党委員会や行政機関、祖国戦線は、慈善団体や個人が連携して被災地を支援できるよう環境を整えています。
これらの取り組みは、被災者への重要な支援となるだけでなく、国民の団結精神を強化し、あらゆる困難を乗り越えるための確かな礎となっています。